認知症とともにあるウェブメディア

今日は晴天、ぼけ日和

そっと、一歩ずつ。心を開ける人かどうかを、微笑みの奥に探して

《介護施設で働く漫画家、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》

三枝さんはうつを 行ったり来たり。

高齢になって、うつ病を発症された 三枝さんは周囲に心を開かない。

どうしたら、三枝さんの心に近づけるのか。

……三枝さんに関わる介護スタッフは、そればかり考えている。

三枝さんも微笑みの奥で探っている。心開ける人か、どうかと。

お互いにそっと、一歩ずつ。

高齢のうつの方に、接する時、
私はとても慎重になります。

それは、介護者側のもののとらえ方が、
その関係に より濃く現れるのを実感してきたからです。

例えば、三枝さんが、
心を開かない、という状態は、
心を守っている、という状態にも、
置き換えられます。

三枝さんを「心を開かない人」と見て、
変わっていくことを期待しながら、
関係を作ろうとするのか。

それとも、

「心を守ってる人」と見て、
そのままの三枝さんと関係を作っていくのか。

そんなふうに信頼の土台は、介護者側から生まれるのだろう、思います。

《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》

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