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若年性認知症の夫(54)と、終末期の話をするべきですか【お悩み相談室】

出掛ける男性たちのイメージ

若年性認知症の支援活動に関わってきた高橋惠美子さんが、若年性認知症の様々な悩みに答えます。

Q.夫(54歳)が半年前に若年性認知症と診断されました。若年性は一般的に進行がはやいそうなので、終末期のことを今のうちに話し合っておきたいのですが、年齢的にはまだ若いので、どのように切り出せばいいのかわかりません。(55歳・女性)

A.まだ理解力がある今のうちに、話し合っておきたいというお気持ちはよくわかります。ただ、本人の性格や、どれだけ病気のことを理解しているのかにもよりますが、いきなり面と向かって相談すると本人の混乱を招いてパニックになってしまうことも考えられますので、焦って聞く必要はないと思います。
最近ではエンディングノートを作成し、在宅での介護を希望するか、あるいは財産扱いや葬儀の内容など、自分の終末期を迎えるにあたっての希望を書き留めておくことが珍しいことではなくなってきました。例えばテレビドラマを一緒に見ていて、最期を迎えるような場面などがあったら、それとなく聞いてみるとか、「エンディングノートを作ってみない?」などと、自然に聞けるようなタイミングがあるといいですね。

若年性認知症も症状が進んでいくと、高齢の認知症と同じように、寝たきりになり、口から食べられなくなるケースが多いのが現状です。そうなった場合は、医師から「胃ろう」にするか、また延命措置をするかなどの選択を求められることもあると思います。本人は自身で判断できない段階なので、最終的には家族が決断することになりますが、できるだけ本人の意思を尊重したいですよね。いずれそういう状況になることに備えて、今は直接的に聞かなくても、夫との普段の会話や生活から、ある程度の意向はつかんでおくといいと思います。夫の意向を推察しつつ整理しておき、いよいよのときに、最終的には家族が「本人の意向にそって判断する」という覚悟を持っていればいいのではないでしょうか。

家族が最終的な判断をすると、どうしても「あの決断でよかったのか」と後悔が生まれがちです。でも、客観的にみたら「今の介護が今のベスト」なのだと思います。

【まとめ】若年性認知症の夫と終末期について話し合いたい

  • 面と向かって直接的に聞くと混乱する可能性も
  • 普段の生活の中でそれとなく聞いてみる
  • いざとなったら本人の意向に沿って判断するという覚悟を持つ

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