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若年性認知症の私 反応薄く家事も手伝わない夫が逆に不安【お悩み相談室】

タブレットを見る女の子とそれを見守る男性のイメージ

若年性認知症の支援活動に関わってきた高橋惠美子さんが、若年性認知症の様々な悩みに答えます。

Q.日付や曜日がわからなくなったり、道に迷ったりすることがあり、病院を受診したところ、アルツハイマー型の若年性認知症と診断されました。夫(53歳)には伝えましたが、あまり反応がなく、家事を手伝ってくれる気配もありません。中学生の子どももいますし、この先のことを考えると頼りなくて心配です。(48歳・女性)

A.認知症かもしれないと思いながらも、実際に医療機関に足を運ぶことは、とてもハードルの高いことだと思います。相談者が自分で受診し、病気を受け入れようとしている様子はとても立派だと思います。とはいえ、診断結果については「信じたくない」「受け入れたくない」、また「この先どうなってしまうのだろう」と不安いっぱいの状態ではないでしょうか。

夫の対応が頼りなくて心配とのことですが、もし夫が、医師から直接話を聞いていないのであれば、まずは夫婦で受診して診断結果を聞き、現状を認識してもらいましょう。認知症の症状は周囲の人からは見えにくいので、日常生活のどこに不都合があるのかわからない場合もあります。相談者が感じている家事や買い物などの難しさを具体的に夫に伝え、どの部分を手伝ってほしいのか、代わってほしいのか、相談してみてください。
また、お子さんは中学生ということで思春期の難しい年頃かもしれませんが、家族全員で病気のことについて話し合う機会を持ってみてはいかがでしょうか。家族も急には受け入れられないかもしれませんが、徐々に理解し協力してくれるはずです。

これまで家事は相談者が担ってきたのですね。心配になるお気持ち、わかります。でも私が若年性認知症交流会などでみている限りでは、これまで家事を妻に任せきりだった男性の介護者もしっかり家事や介護をしています。いったん受け入れることができれば、前向きに取り組めるものだと思います。

そして、ぜひご夫婦で若年性認知症の交流会などに参加してほしいですね。私は20年ほど前に夫が若年性認知症になったのを機に家族会に参加するようになり、とても気持ちが楽になりました。家族会で、夫も一緒に旅行に出かけたたこともありました。どの家族会にも男性の参加者がいると思いますが、男性同士で料理を教えあったり、男性ならではの悩みを共有したりしているようです。
一般的に男性のほうが地域での交流がなく、孤立しがちですが、家族会では同じ経験をしている仲間ということもあり、自然につながっていくようです。ぜひ一緒に参加してみることをおすすめします。

【まとめ】若年性認知症になったのに夫が家事を手伝ってくれない

  • 医師から直接夫に診断結果を伝えてもらう
  • 手伝ってほしいことや代わってほしいことを具体的に伝える
  • 夫婦で若年性認知症の交流会などに参加する

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