幸せを測るものさしは本人だけが持っている 私は私 今日も一服
《介護施設で働く漫画家、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》
![中山さんは、お風呂が嫌い。好きな服しか着ない。食べたい時に食べる。](http://p.potaufeu.asahi.com/3ce2-p/picture/18663671/859bd8c8eb56ad4d794d1d77d51602ce.jpg)
中山さんの生活をサポートをする為の、ケアマネジャーも介護士達も、困り果てていた。中山さんが「誰の言うことも聞かないから」。
![肺がよくないのに毎日一箱。](http://p.potaufeu.asahi.com/56e6-p/picture/18663674/237aa5562dc03ed259be7fef26a2d5e6.jpg)
中山さんは、そんな周りを遠ざけるでもなく、いつも気ままで、ご機嫌。
![中山さんが毎日に求めるものは、中山さんにしかわからない。](http://p.potaufeu.asahi.com/4c48-p/picture/18663675/cfa0b0cf4424fe5b74144524af8d53ab.jpg)
人に寄り添うとは、一体どういうことだろう。
中山さんのもとに、介護のサポートチームが派遣されたのは、もう20年近く前のことです。
認知症が進み、荒れ放題のマンションに住む中山さんは、私からは不快な暮らしぶりに見えました。
「もっと清潔で、健康的な生活を」と望んでいたサポートチームにひきかえ、
ご本人は自分のペースを、最期まで崩すことはありませんでした。
私が自分の視点だけで、人の幸せをはかろうとする時に、
今でも、ふと、中山さんの顔が浮かびます。
《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》
![](http://p.potaufeu.asahi.com/nakamaaru/img/nakamaaru450_450.gif)