言葉はなくても想いが伝わる 認知症の母がつくった千代紙アート
《介護施設で働く漫画家、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》
![「よっちゃん」「よっちゃん」「よっちゃん」『娘さんの美子さんのことかな?』](http://p.potaufeu.asahi.com/e431-p/picture/18226470/3f3692c9d0eaf8bd4e297ed17e3b194d.jpg)
認知症を深めた、ミヨさんとのアートワークの時間。ミヨさんは言葉での意思伝達が難しくなっていて、周囲がご本人の表情や様子から、お気持ちを察するしかなかった。
![「この千代紙の柄・・・」](http://p.potaufeu.asahi.com/ddbd-p/picture/18226468/d720fd610412b49aa3d1028e88ddc586.jpg)
主介護者の美子さんは、人が変わったかのようなミヨさんの介護に、疲弊していた。そんな美子さんに、ミヨさんが「よっちゃん」と繰り返していた、千代紙のアート作品をお渡しした。
![「母が昔、縫ってくれたワンピースと同じです・・・」](http://p.potaufeu.asahi.com/b5f1-p/picture/18226469/dccd03a426a6058ff0e35d28628a3075.jpg)
アートの奥に、変わらぬ愛がある。
認知症の方への臨床美術(アートセラピー)の、期待できる効果のひとつとして、
ご家族の関係の再生があります。
認知症を深め、変化されたご本人に、
落胆してしまうご家族は少なくありません。
けれど、ご本人がどんな状態であろうと、
表現されたアートには、
元々のその人らしさが表れます。
ミヨさんと美子さんのように、
明確な記憶の断片が、表現されたアートになかったとしても、
アートワーク中のご本人の笑顔に、
ご家族が触れ、日々の介護に意欲を取り戻されることはよくあることなのです。
《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》
![](http://p.potaufeu.asahi.com/nakamaaru/img/nakamaaru450_450.gif)