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認知症の母が喜ぶ毎日ごはん

誕生日のオムライス 歌いながらケチャップ文字 認知症の母が喜ぶ毎日ごはん

フードライター大久保朱夏さんが、認知症のお母さんとの生活のなかで見いだしたレシピを紹介します。気持ちを込めたオムライス。誕生日を迎えるたびに思い出します。

※料理は普通食です。かむ力やのみ込みに配慮した介護食ではありません

のせるだけオムライス

彼岸花が咲き誇る9月のある日、私は実家で44歳の誕生日を迎えた。「今日、誕生日なの」と母に告げると、「あら、それはおめでとう! お金がなくてプレゼントは買えないから絵を描いてあげる」と言って、クーピーで明るい色の模様を描いてくれた。
「料理上手の朱夏様のお母さんってどんな人?」と、母は私のことを友達だと思って質問する。「そうね、料理は好きじゃないと言いながら、いろいろな料理をがんばって作ってくれたし、小学生の時、私の作文をほめてくれたのはうれしかったよ」と、話を合わせて答えた。一緒にハッピーバースデーの歌を歌い、おめでとうという気持ちを込めて「44(ハート)」と書いたオムライスを一緒に食べたのも、いい思い出だ。
2年半前から母は老人ホームで暮らしている。認知症の症状も進み、車椅子生活になり、会話も体調の良し悪しもいろいろ難しい面が多くなってきた。年月が経つほど、母と食卓を囲んだり散歩に出かたりした日々が、かけがえのない時間だったことがよくわかる。

のせるだけオムライス

ケチャップごはんに、薄焼き卵をのせた簡単オムライス。卵でごはんを包まないので、失敗知らずです。ケチャップごはんは軽く焦がすくらいの炒め具合が好きですが、みなさんは? 字を書くときは保存袋にケチャップを適量入れ、先を細く切ると文字が書きやすくなります。家族の誕生日にぜひ! きっと気持ちがほっこりします。

材料 2人分

温かいごはん 茶碗2杯分
ハム 3枚
玉ねぎ 1/4個
ピーマン 1個
卵 3個 
サラダ油 小さじ1
ケチャップ(ごはん用) 大さじ1と1/2
塩・こしょう 各少々
ケチャップ(文字用) 適量

作り方

  1. ハム、玉ねぎ、ピーマンは粗みじん切りにする
  2. フライパンにサラダ油を入れて熱し、1の材料を炒める。玉ねぎが透き通ってきたらごはんを加えて炒め、ほぐれてきたらケチャップ、塩、こしょうで調味する
  3. フライパンにサラダ油を引いて薄焼き卵を作る
  4. 皿に2を盛り、3の薄焼き卵をのせてケチャップで好きな字を書く

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