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若年性認知症ですが就職できますか?【お悩み相談室】キタジマが答えます

Q. 若年性認知症と診断され退職しましたが、ようやくやる気を取り戻せました。しかし仕事があるでしょうか。再就職先をどう探していいのかもわかりません。

 

A. 病状にもよりますが、認知症だと明かしたうえで普通に採用してもらうのは難しいというのが現実です。企業側から「十分に働けないだろう」「トラブルを起こすのでは」などと敬遠され、不採用になるケースも少なくありません。

かといって認知症を隠しなんとか面接を乗り切って採用されたとしても、仕事中に発注を忘れるとか数をまちがえるといったミスが重なれば、周囲の人たちから「あの人、おかしいよね」などと人格を否定される可能性があります。ミスは病気によるものなのに、人格を否定されれば本人は傷つき、混乱します。認知症を隠していればいずれつらい思いをしなければならなくなる可能性があり、隠すには覚悟が必要です。

就職にたどり着く近道はやはり、障害者福祉手帳を取得し、障害者雇用枠で応募することです。認知症であることをオープンにし、制度を活用するわけです。オープンにするのも覚悟が必要で、さまざまな葛藤もあるでしょう。でもオープンにすれば、力になってくれる人は必ずいます。

当事者として認知症の人の相談を受けたり講演活動をしている丹野智文さんは、39歳で若年性認知症と診断されてしばらくは周囲の反応が怖くて病気のことを隠していたそうです。ところがオープンにしたら、みんなが力を貸してくれたといいます。講演会で当時のことを振り返って「認知症に偏見を持っていたのは周りではなく自分自身だということに気づいた」と話しておられました。とてもいい言葉だと思います。

 

どのような仕事が向いているかは、認知症のタイプ(=認知症の原因となっている病気)や進行具合などによって異なります。アルツハイマー型認知症と診断された50代の男性は遺跡発掘のアルバイトを生き生きとこなしていました。短期記憶障害があると人の顔や名前が覚えられないので接客業や営業職は難しいですが、遺跡をていねいに掘り出す作業は周囲の理解とちょっとした配慮により問題なく進められたんですね。

70代の男性は自らハローワークに出向いて、障害者雇用枠で福祉施設の営繕や介護補助の仕事に採用されました。福祉施設などは認知症に対して周囲の理解が得やすいので、向いているかもしれません。

自分に合った就職先を見つけるのは、どのような症状が出ていて、どのようなところが強み弱みなのかを知ることが大事。客観的に判断するために、障害者職業センターが実施している職業評価を利用するのも一つの方法です。

就職先を探すにはハローワークの障害者窓口のほか、障害者就労支援センターなども活用しましょう。ボランティアをしてみたいという人は、各自治体にある社会福祉協議会に「ボランティアセンター」というボランティアの総合相談窓口が設けられています。自分ができることに見合ったボランティアを紹介してもらえるので、相談してみてください。

〈つぎの質問を読む〉認知症と診断されたら家のローンは?

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