好きなことやっても、だんねぇざ!@大野~BLGの活動報告

認知症の人と「ともに生きる拠点づくり」を進める100BLGは、認知症の人と「ともに生きる拠点づくり」を進める100BLGは、同じ思いを持つ全国各地の事業所とともに「学び合いのプラットフォーム」となるネットワークをつくっています。各事業所は、それぞれの土地柄や文化に合わせたかたちで運営されています。今回は、福井県大野市にあるBLG大野(福井県民生協大野きらめき)からの報告です。
こんにちはBLG大野の福野です。
BLG大野がある福井県大野市の冬は、いつも雪が降りますが、今年は積雪が150cmになり、降り続く雪に奮闘しています。少しくらいの雪ではめげない大野市民も除雪の日々に疲れが出始めているところです。
さて、BLG大野は2023年に大野きらめきグループホームとして開所してから2年が経とうとしています。途中メンバーさんの入れ替わりもありましたが、百寿を迎えるメンバーさんを含む9人のメンバーさんと生活しています。
朝のお茶の会は、コーヒーやココアなど好きな飲み物を飲みながらの世間話から始まります。そして1日の役割分担をみんなで決めていきます。
「ゴミ出しに行くわ、一緒に行こっさ」
「私はお米とぎさせてください」
「おかずを取りに行こうかな」
などメンバーさんがやりたいことが決まっていきます。
さらに
「畑に水やりに行きたい」
「晩ごはんに、じゃがいもを煮るわ」
などメンバーさんがやりたいことがでてきます。
2023年はメンバーさんに教わりながら一緒に野菜作りをしましたが、初めてのことで失敗もありました。でも収穫した時の喜びや採れたての野菜のおいしさに感動することができた1年でした。
2024年は「今年はたくさん作って売りたい、売ったお金で肥料や種を買いたい」とメンバーさんが中心となって野菜作りをしました。
ところが肥料や水やり、ネットをかけて手塩にかけて育てたのですが、白菜や大根はなかなかうまく育ちませんでした。
しかし、じゃがいもやサツマイモはたくさん収穫することができて、秋祭りで販売することができました。
そして食卓には「大学いも」「ふかし芋」「天ぷら」「でんがく」などメンバーさんの手作り料理がたくさん並びました。

また、施設内の一角には「宅配ステーション」があります。
生協の商品を注文された近所の組合員さんが宅配ステーションに取りに来られますので、メンバーさんが
「こんにちは」
「いらっしゃいませ」
「今日は暑いですね~」
とお迎えします。
そして、取りに来られた後の発泡スチロールや保冷剤などを片付けるお仕事を、メンバーさんがしています。
「足がしびれて痛い」「腰が痛くてつらい」と言われているメンバーさんたちですが、寒くて冷え込むこの時期でも、たくさん着込んで出勤してくださっています。
この宅配のお仕事はお給料がいただけますので、いただいたお金で「みんなでおいしいもん食べよっさ」と外食をしたり、お寿司やお弁当をテイクアウトしたりしています。
お金がたまったら「いつか温泉にでも行きたいなぁ~」と楽しみもできました。

さらに、メンバーさんの一人は、
「昔は卓球をしていたこともあったけど、今は歩行器から手が離せないからできない」
と言われていたのですが、ご家族の協力で自宅から卓球台を運んでいただきラケットを握ることができました。
初めは「できるかな」とおそるおそるでしたが、球を打ち返しているうちに表情は真剣なものに変わっていきました。
他のメンバーさんやスタッフも「ちょっとやってみようかな」と言われて、みんなで楽しく卓球をすることができました。
それぞれのメンバーさんのやりたいことをご紹介しましたが、これからもメンバーさんが好きなこと、やってみたいこと、そしてみんながワクワクするようなことを一緒にやって、ご報告していきたいと思います。
好きなことやっても、だんねぇざ(いいですよ)!

