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お料理倶楽部@仙台~BLGの活動報告

着慣れないエプロン姿に照れ笑いしながら作業するメンバーさん
慣れないエプロンに照れ笑いしながら作業するメンバーさん

認知症の人と「ともに生きる拠点づくり」を進める100BLGは、同じ思いを持つ全国各地の事業所とともに「学び合いのプラットフォーム」となるネットワークをつくっています。各事業所は、それぞれの土地柄や文化に合わせたかたちで運営されています。今回は、宮城県仙台市にあるBLG仙台(医療法人社団清山会 みはるの杜診療所)からの報告です。

BLG仙台の佐藤です。

今回はあるメンバーさんと職員の一言から始まった企画をご紹介したいと思います。

メンバー「美味しいものを食べたいね」、職員「みんなで作ろうよ」

そんな何気ない会話から倶楽部活動がスタート。「何作ろうか?」「甘いの好き」などと意見を出し合い、今回作る料理は和菓子に決まりました。

メンバーさんと職員で話をし、材料を決めて、買い物、準備物。当日が待ちきれなくなるほどに、ワクワクした気持ちを抱え、当日を迎えるその日まで、お迎えの車内、入浴の待ち時間や食事の合間等での話題の一つとなっていました。

当日は事業所内にある喫茶店のスペースをお借りして行いました。メンバーさんはそれぞれエプロンを着用。男性のメンバーさんのエプロン姿は普段見慣れていない事もあり、メンバーさんや職員から「いつもと違ってる」「素敵」と声をかけられ照れ笑い。

いざ始まると皆さん真剣な表情で調理していました。「このぐらいの大きさで大丈夫?」「いいんじゃない」そこにはメンバーさんと職員の隔たりはなく、一緒に楽しむ素敵な空間がありました。普段から自宅で料理をしているメンバーさんの包丁さばきの速さにはみんなびっくりしていました。

協力しながら枝豆をつぶしてずんだあんを作ります
協力しながら枝豆をつぶしてずんだあんを作ります

料理があまり得意ではないメンバーさんは「やったときないけど、出来るかや」「心配だや」と言っていましたが、いざ始まると本当に料理するのが初めてなのかと思うぐらい手際よく料理をしており、「本当に初めてですか?」「初めてだよ」と照れながら答えていました。

「料理は初めて」と言いながら、手際よくあんこを丸めていきます
「料理は初めて」と言いながら、手際よくあんこを丸めていきます

調理の工程や弾む会話を楽しみながら、出来上がった料理は皆さんで召し上がりました。「美味しいね」「今度は何つくろうか」と次回の活動を皆さん楽しみにしていました。

できあがった桜餅に笑顔を見せるメンバーさん
できあがった桜餅と一緒に「はいチーズ!」

何気ない会話から生まれる明日への希望。「〇〇をしたい」と願う気持ちは楽しく生きるための活力です。メンバーさんの想いをカタチにすること、楽しい時間をみんなで共有することは、私たち職員のやりがいにもつながります。

介護サービスを利用しているからと、何かを諦めなければならないのでしょうか。環境が整うことでメンバーさんが主体的に過ごすことができること、そして配慮や工夫を凝らすことで何気ない会話がかけがえのない時間に変わることを、今回の活動を通して学ぶことができました。

共に働く職員、集うメンバーさんが、楽しくいきいきとして過ごせる場所に近づけるように、明日からも関わりを大切にしていきます。

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