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今日は晴天、ぼけ日和

介護のストレスを石化させないために 外でちょっぴり演じる悪役

《介護福祉士でイラストレーターの、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》

「あんなうち、家出してきたの!」「あらあら」

おばあちゃんの介護を、ほぼひとりでしている私。

この生活があと何年続くのかと思うと、途方に暮れる。

だから、今日も、気心の知れたご近所さんに、
「あんなうち、家出してきたの!」と
うそぶき、買い物へ。

「ぜーんぶ、ひとりじめして食べるの」「あはは」

そう、私は介護のモヤモヤを、
あえて愚痴にする。

顔見知りの店員さんにも、
それとなくちょっとこぼしてみたり。

まるで小さな悪役を演じるように、
介護のストレスを、外に出してあげるの。

「ただいま〜スイカ買ってきたよ」パタン

だって本当は私、愚痴をこぼすのに慣れていない。

ぐっと堪えて、ひとりで抱えて生きるほうが、
ずっとなじんでいる。

でもこれ以上、頑張りすぎないために、
私はあえて口にするんだ。

「毎日よくやってるね、お疲れ様」と

いつか力を抜いて、自分に言えるようになるために。

家族介護の負担を、背負っている人には、

そのストレスに、圧倒されてしまう前に、

日々のなかに、かる~く愚痴を言える合間を、
ちょくちょく設けてあげることをオススメします。

というのも、介護する人のがんばりは
その多くが、個人の許容量を超えているものです。

しかもひとり耐え、愚痴ひとつこぼさない人のほうが、
圧倒的に多いように見受けられます。 

だから介護者は、あえて思いきって悪役を演じるような気持ちで、

買い物や外出の合間に、日々の愚痴を小出しにしてみる。

実際は悪役でもなんでもなく、
人間らしい素直な姿ではありますが、
それは、気軽な息抜きになります。

なにより、息抜きをあなどるなかれ。

張り詰めていた気持ちが軽くなるのはもちろん、
今まで持てなかった明るい視点が、ふと、もたらされるなど、
その効能をどなたも実感したことがあるでしょう。


誰にも言えない悩みとして、
日々のご苦労やストレスが石化してしまう前に。 

その肩の荷を、
ちょっとおろしてあげる気持ちで、
小さな愚痴をご自身に許してあげませんか?

 

 

《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》

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