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みんなで楽しむ幸せレシピ

家族の元気は食事から!ナスのくるくる肉巻きとトマトスープで疲労回復

ナスのくるくる肉巻き(コード3~4相当)、トマトのスープ(コード2相当)

インクルーシブパティシエの志水香代さんが、年齢や障害の有無などにかかわらず誰もが同じ食卓を囲んで楽しめることを目指した「インクルーシブフード」のレシピを紹介します。今回は、夏の始まりの疲れを吹き飛ばす「ナスのくるくる肉巻き」と「トマトのスープ」です。ポイント食材はつなぎ役の里芋。みんなで同じメニューを楽しむための一工夫を紹介します。
それぞれのお口の機能に応じてかんだり、のみ込んだりできる食べ物の形態は異なるため、以下の「日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2021 」のコードをご参照のうえ、嚥下(えんげ)機能や咀嚼(そしゃく)機能などお口の機能に気になる点があれば、歯科医師や医師など専門家の指導の下でお楽しみください。

「日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2021」をもとに編集部で作成 /【必要な咀嚼能力/特色・形態】0j:若干の送り込み能力/たんぱく質含有量が少ないもの(ゼリー状)、0t:若干の送り込み能力/たんぱく質含有量が少ないもの(とろみ水)、1j:若干の食塊(※1)保持と送り込み能力/ゼリー・プリン・ムース状のもの、2-1:下あごと舌の運動による食塊形成能力および食塊保持能力/なめらかで、べたつかず、まとまりやすいピューレ・ペースト・ミキサー食、2-2:下あごと舌の運動による食塊形成能力および食塊保持能力/べたつかず、まとまりやすいものでやや粒のあるピューレ・ペースト・ミキサー食、3:舌と口蓋(※2)間の押しつぶし能力以上/舌と口蓋間での押しつぶしや送り込みが可能なもの、4:上下の歯槽提間の押しつぶし能力以上/箸やスプーンで切れる柔らかい食べ物、※1食塊:唾液と混ぜ合わさって嚥下しやすい形態、※2口蓋(こうがい):口腔内の上あごの天井部分
「日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2021」をもとに編集部で作成
夏に近づく頃、ちょっと疲れが出始めたりしませんか。食欲がなくなったり、睡眠不足になったり。そんな悩みの声が多くなるのが7月です。そんな時は、豚肉や季節の野菜が摂れるごはんを食べると、身体も元気になりますよ。例えば、豚肉の薄切りを使う時は筋を切り、お肉をのばしてから整形する。ひき肉を使う時はつなぎに里芋を入れて揉んで作るか、ハンドブレンダーにかけて滑らかに仕上げてみましょう。食べやすさは人それぞれ違うので、食べる人のお話を聞きながら作っていきます。焼く、蒸す、揚げるなどのシンプルな調理法は、素材の「おいしい」が簡単に引き出せ、初めて料理をする人にも「楽しい」と思ってもらえると思います。

ナスのくるくる肉巻き(コード3~4相当)

材料(2人分)

ナス            1本
豚牛合挽肉         100g
里芋(茹で)        30g
卵             1個
片栗粉           小さじ1(衣用:大さじ1)
塩             少々
パン粉           30g(衣用)

(梅ソース)
梅干し           4粒
マヨネーズ         20g
ゴマ油、ポン酢       少々

(定番ソース)
ウスターソース、ケチャップ 同量

材料(豚牛合挽肉、里芋、卵、片栗粉、なす、パン粉)

作り方

  1. ビニール袋にひき肉、ゆでた里芋、卵液1/2、片栗粉小さじ1、塩少々を入れて揉み込む。
  2. なすはヘタを切り、スライサーでスライスしたものを水に軽くつけてアクをぬく。ペーパーで水気をふく。
  3. 2のなすに1をのせて、くるくる巻く。衣液(卵液1/2と片栗粉大さじ1と水200㏄)をつけて、パン粉をまぶし、揚げる。
  4. 梅ソースは梅干しを包丁でたたく(ペースト状にするか粒を残すかはお好みで)。マヨネーズ、ゴマ油、ポン酢と混ぜる。
  5. 定番ソースはウスターソースとケチャップを同じ量にして混ぜる(お好みでマヨネーズを入れてもおいしいです)。
「ナスのくるくる肉巻き」の手順
志水香代さん

<Point!>
舌で押しつぶしができる程度(コード3相当):
肉タネをハンドブレンダーで更に滑らかに、ソースの水分を多めにしてみましょう。
歯茎ですりつぶせる程度(コード4相当):
手で揉む肉タネで十分です。
あえて嚙む力を高めたいときは:
薄切り肉にして、筋切をして同じように作ってみましょう。

<料理の工夫>
梅は筋肉や神経の疲労回復にもよいので、「疲れたかな」と思った時に料理やドリンクに入れて元気に夏を乗り越えましょう。梅のソースは長芋の短冊切りやとろろと合せてもいいですね。 ひき肉はそのままだとパサつきやばらつきがあるので、今回の里芋や、ほかに豆腐、ジャガイモ、長いも、レンコンなどの水分をまとめてくれる素材を足すと食べやすくなります。仕上げをあんかけにしたり、煮込んだりするのもよいでしょう。

トマトのスープ(コード2相当)

材料(2人分)

トマトジュース       400㏄
玉ねぎ           80g
にんにく          1かけ
オリーブオイル       大さじ1
水             150㏄
昆布だし顆粒        適量

材料(トマトジュース、昆布だし顆粒、オリーブオイル、玉ねぎ、にんにく)

作り方

  1. 玉ねぎは薄くスライスし、にんにくはみじん切りにする。鍋にオリーブオイルを入れ、にんにく、玉ねぎを炒める。
  2. 1に水と昆布顆粒を入れ、柔らかくなるまで煮る。ハンドブレンダーでポタージュ状にしてトマトジュースを加え、冷蔵庫で冷やして出来上がり。
「トマトのスープ」の手順

志水香代さん

<料理の工夫>
スープの具としてトマトやキュウリ、パプリカなど夏野菜をトッピングに入れてもいいでしょう。 温かいスープとして食べてもおいしく、豆乳を入れてまろやかに煮るのもおすすめです。

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