みんなで食べよう!やわらか鰻丼とゆるやか羊羹
撮影/志水香代
インクルーシブパティシエの志水香代さんが、年齢や障害の有無などにかかわらず誰もが同じ食卓を囲んで楽しめることを目指した「インクルーシブフード」のレシピを紹介します。今回は「鰻丼」と「長芋のすりながし」、デザートに「ゆるやか羊羹」です。自宅での介護食作りに役立つ電気圧力鍋を使ったレシピで、ポイント食材は長芋とゼラチン。それぞれのお口の機能に応じてかんだり、のみ込んだりできる食べ物の形態は異なるため、以下の「日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2021」のコードをご参照のうえ、嚥下(えんげ)機能や咀嚼(そしゃく)機能などお口の機能に気になる点があれば、歯科医師や医師など専門家の指導の下でお楽しみください。
- 今回は疲労回復を考えて鰻、長芋、あんこを使ったシンプルメニューを作りました。「鰻を食べさせたい」という声にお応えする、ご家庭でもおすすめの電気圧力鍋「やわらかさん」を使ったレシピです。電気圧力鍋を使うと火を使わず手軽に、鰻を箸ですーっと簡単に切れるくらい、やわらかくできます。鰻は軟飯と一緒に食べることで口の中でまとまり、飲み込みやすくなります。電気圧力鍋は自宅で簡単にやわらか食を家族の食事と同時に調理できます。ダイヤル操作で時間を決めたらスタートボタンを押すだけ! 毎日の介護食作りのお助けアイテムです。
やわらか鰻丼(コード4相当)
【材料】1人分
鰻 1尾
ごはん 180g(お茶碗1杯分)
山椒
鰻のたれ
作り方
- 鰻1尾の硬い両端を切り落とす。
- 電気圧力鍋に入れる。水を360ml加え、ふたをして25分でセットし、スタートボタンを押す。
- ブザーが鳴って赤いフロートが下がったら調理終了。
- 丼にごはんを入れ、鰻を上にのせる。
<Point!>
歯茎ですりつぶせる程度(コード4相当)
・電気圧力鍋を使用することで、鰻の皮まで食べやすくなります。
・あわせるごはんを「軟飯」にすると、口の中で鰻とまとまりやすくなります。
<料理の工夫>
家族で一緒に同じものを食べられることが、簡単ではないことが時にあります。そんな時でも、食事をゼロから工夫して作ることは「手間と時間」がかかります。介護は「食事」だけではないからこそ、通常のメニューにひと手間くらいがちょうどいいです。これまでのレシピでもご紹介してきた、まとめる食材(里芋、長芋、大和芋、はんぺんなど)、調理方法(蒸す、煮る、揚げ焼き)、市販品(ソース、タレ)の活用を意識して、上手に合わせて気負わず作っていきましょう。
長芋のすりながし(コード2-2相当)
【材料】2人分
長芋 200g
出汁 200ml
塩 少々
味噌 小さじ1
青のり、ワサビ(お好みで)
作り方
- 長芋をすりおろして出汁でのばし、塩、味噌で味の調整をする。
★出汁は市販の「うどんスープ」の素で作ると簡単です。
ゆるやか羊羹(コード2-1相当)
【材料】2人~4人分
こしあん 120g
水 160ml
塩 ひとつまみ
粉ゼラチン 2.5g
水 25ml
作り方
- 粉ゼラチンを水(25ml)でふやかす(水に粉を振りかけるのがポイント)。
- 小鍋に、こしあんと水、塩を入れ、中火にかけて軽く沸騰させてから火を止める。
- 2の小鍋に1のふやかしたゼラチンを入れ、よく溶かす。氷水にあてとろみがつくまで冷やしながら混ぜる。
- 器に入れ、冷蔵庫で1時間、冷やして固める。