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心配性が増し、一人になるのを怖がる母 私を探し回ります【お悩み相談室】

落ち着かない様子で家の窓の外を見る高齢女性、Getty Images
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認知症地域支援推進員で介護支援専門員の田中リエ子さんが、高齢者や介護の様々な悩みに答えます。

Q.母(70歳)と2人暮らしですが、最近母の心配性がひどく、一人になるのを怖がります。私が出かけていて着信に気づかないと、妹に連絡したり、近所の知り合いの家に行き「娘が帰ってこない」と押しかけたりします。母に何が起きているのでしょうか(42歳・女性)

A.何が起きているのかを判断するのは難しいですが、可能性としては認知症や精神疾患、もしくはこの2つが同時に出ていることが考えられます。認知症の人の場合、「夕暮れ症候群」とも呼ばれ、夕方になると不安感に襲われたり、ソワソワして落ち着かなくなったりすることがあります。

日中一人で過ごしていて、これまで当たり前にできていたことができなくなるなどして不安になることがあり、さらに自分が思っているタイミングで娘が帰ってこないと、その不安に拍車がかかるのかもしれません。認知症があると時間の認識にズレが生じるので、帰宅予定時間を早く見積もってしまう可能性はあります。季節も把握しにくくなるので、日が短くなる秋から冬にかけて「前は外が明るいうちに帰ってきたのに、こんなに暗くなっても帰ってこない」と不安になるということもありえます。

また、認知症の人は最近のことは忘れても、昔のことは覚えている傾向があるので、夕方になると主婦だった人は「夫や子どもたちが帰ってくる時間だから夕食の準備をしないといけない」、会社勤めをしていた人は「家に帰らなきゃいけない」と考えてソワソワし始める、といったこともあると考えられています。

不安な状態で過ごしているのもつらいと思うので、一度受診して認知症や精神疾患を発症していないかどうかを診断してもらうことをおすすめします。精神を落ち着かせるような薬によって、不安が和らぐこともあります。

認知症が進んで娘の年齢がわからなくなり、まだ小学生くらいだと認識してしまうと、さらに心配して近所をウロウロ探し回るということもあるかもしれません。そうなった場合に、道に迷ったり、事故にあったりといったことが心配です。要支援・要介護認定を受けてデイサービスなどを利用し、なるべく一人で過ごす時間をなくしたほうがいいでしょう。通所、宿泊、訪問の3つのサービスを同じ施設で受けられる小規模多機能型居宅介護であれば、週に数回通所サービスを利用して、家で過ごす日はお母さんが不安になる夕方ごろに訪問してもらうといったことができるので、安心です。

最近になって心配性がひどいというのは、何かしらのサインだと思うので、医師の診断などによって原因を探り、早めに対処できるといいですね。

【まとめ】母の心配性がひどく、一人になるのを怖がるときには?

  • 認知症や精神疾患、もしくは同時に発症している可能性があるので、病院を受診する
  • デイサービスや小規模多機能型居宅介護などを利用して、なるべく一人で過ごす時間をなくす

 

 

≪お悩みの内容については、介護現場の声を聞きながらなかまぁる編集部でつくりました。≫

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