なぜ嫁の私だけが義母を介護? 実の娘は多忙アピール【お悩み相談室】
構成/中寺暁子
訪問介護管理者の滝口恭子さんが、高齢者や介護の様々な悩みに答えます。
Q.ほぼ寝たきりの義母(82歳)の介護をしています。訪問介護なども利用していますが、子どもの用事などで出かけるときには、義妹にお願いして来てもらいます。義妹からは忙しいことをアピールされるのですが、そもそもなぜ私がお願いする立場なのか、納得がいきません(50歳・女性)
A.家族間のお悩みは、第三者にはわからないような背景や関係性があるので、実際に相談を受けることはありますが、難しい問題なのです。義妹は介護に積極的ではないようですが、義妹の立場になって考えてみると、そこには何か理由があるかもしれないですよね。
このお悩みからはっきりわかるのは、相談者の負担が大きく、ストレスを抱えているということです。寝たきりの方の介護は、24時間休みがなく、本当に大変なことです。それは実際に経験した人ではないとわからない大変さだと思います。さらに、その大変な状況がいつまで続くのかもわかりません。そうした状況で、相談者が倒れてしまったら、誰が介護を担うのでしょうか。
相談者が倒れてしまうようなことにならないためにも、できるだけたくさんの人が介護に関われるように、一度家族会議を開いて、役割分担を明確にしておくことをおすすめします。ケアマネジャーなど第三者に立ち会ってもらうと、議事録を書いてもらえますし、後から「言った」「言わない」の揉(も)めごとも避けられると思います。しっかり役割分担をすれば、「お願いする」「お願いされる」という関係性も解消されるかもしれません。
会議の中で、義妹が介護に積極的になれない理由などもわかるといいですね。実は遺産相続などについて不満があり、介護をする気になれなかったというのもよくある話です。
訪問介護を利用しているとのことですが、寝たきりの方は、夜間に介護が必要になることもあり、家族の負担がどうしても大きくなります。介護保険サービスのショートステイなどを利用して、休息する時間を持ち、頑張りすぎないことが大事だと思います。
【まとめ】寝たきりの義母を介護。義妹が介護に積極的でないときには?
- ケアマネジャーも交えた家族会議で、介護に関する役割分担を明確にする
- 義妹が介護に積極的になれない理由があるかもしれないことを理解し、会議の中でその理由を確認する
- 介護保険サービスのショートステイなどを利用し、頑張りすぎない
≪お悩みの内容については、介護現場の声を聞きながらなかまぁる編集部でつくりました。≫