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メールの返信は減り、なげやりに 両親を介護中の友人が心配【お悩み相談室】

スマートフォンを操作するひと、Getty Images
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地域包括支援センターに勤務する中村亘さんが、高齢者や介護の様々な悩みに答えます。

Q.長年の友人(55歳)が自宅で両親の介護をしているのですが、先日会ったときに元気がなく「私の大変さは誰にもわからない」と言われました。なるべくメールをしているのですが、返信も少なく、心配です。私にできることはないのでしょうか(55歳・女性)

A.両親の介護をしているということは、自分の時間はほとんどもてていないのかもしれませんね。仕事や子育てと介護を両立しているとすれば、なおさらです。ストレスが強く、周りに理解者もいなくて孤立している状況かもしれません。

「私の大変さは誰にもわからない」というのは、本音だと思いますから、それを相談者に伝えられているということは、長年の信頼関係があるのでしょう。信頼している友人からの言葉は響くはずなので、まずできることとしては「休みはとれている?」「ごはんはちゃんと食べられている?」といった友人の体調を心配するような言葉や「よくがんばっているね」といったねぎらいの言葉をかけることだと思います。

私自身、地域包括支援センターに勤めていて気をつけているのは、窓口に親の介護の相談にいらした方に対して、親だけではなく相談に来られた方のことも気遣うような言葉をかけるということです。周囲の人は、つい介護を受ける側の親の心配をする言葉だけをかけがちですが、介護をする側の人をケアするような言葉も必要だと思うからです。

特に相談者の友人は精神的に追い詰められている可能性があるので、相手の言葉に対して敏感になっているかもしれません。例えば「ご両親の体調はどう?」といった親を心配する言葉だけをかけることで、自分はないがしろにされているような気持ちになって傷つくこともあります。メールの返信が来たら「忙しいなか、お返事ありがとう」「また話を聞かせてね」というように、相手を気遣う言葉を意識してほしいと思います。

友人は孤立していて、情報が不足している状況かもしれないので、地域とできるだけつながりをもてるといいですね。友人の家の近くにある地域包括支援センターを調べて、連絡先とともにメールなどで伝えて「相談に行ってみたら」と勧めるのもいいと思います。介護家族の会などで、介護者同士のつながりをもてると、介護の大変さを共感しあえたり、情報共有したりできて、今の友人にとっては精神的な負担が軽くなるかもしれません。地域包括支援センターに行けば、地域で開催されている介護者同士の会なども紹介してもらえます。

友人からの返信が全くなくなって心配なときには、相談者自身が友人の家近くの地域包括支援センターに連絡するのも1つの方法です。おそらく担当者が様子を見に行ったり電話をしたりしてくれるはずです。友人に知られたくない場合は、相談者からの連絡があったことは伝えずに「地域を巡回していて今日はこちらにうかがいました」など、自然な形で訪問できるように考えてくれると思います。

家族と違って友人関係だとどこまで踏み込んでいいのか悩むところだと思いますが、現状では少ないながらも返信があるとのことなので、そのつながりを大事にしてほしいです。

【まとめ】両親を介護している友人が、最近元気がなく、メールの返信も少なくて心配なときには?

  • 友人自身の体調を心配するような言葉や介護をしていることに対してのねぎらいの言葉をかける
  • 友人の家の近くにある地域包括支援センターを調べて、相談に行くように勧める
  • 友人からの返信が全くなくなったときには、友人の家の近くにある地域包括支援センターに直接連絡して、状況を伝える

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