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夫が他界 海外の息子は帰国しない宣言 この先が不安です【お悩み相談室】

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介護支援専門員の須原智子さんが、高齢者や介護の様々な悩みに答えます。

Q.数カ月前に夫が亡くなり、一人暮らしです。一人息子は家族と海外で暮らしていて、夫の葬儀で帰国した際に今後も日本に住むことは考えていないと言われました。てっきり一緒に暮らせると思ったのに。この先のことを考えると不安で寝つけません(77歳・女性)

A.夫を数カ月前に亡くされたばかりということで、まだ一人暮らしに慣れず、さみしい時期かもしれませんね。思い描いていた未来と違い、ショックもあるでしょう。

一人でいると不安が増してしまうかもしれません。今の気持ちを人に話せると、それだけで不安が軽くなることもあります。地域包括支援センターが開催しているイベントや体操教室などに参加すると知り合いが増えますし、将来的に不安な介護のことなどについて、具体的な話を相談できると思います。

このまま一人暮らしを続けるのが不安ということであれば、「サービス付き高齢者向け住宅」を利用するのはいかがでしょうか。高齢者が単身、または夫婦で居住できる主に賃貸の住まいで、介護の専門家による見守りサービスが提供されます。居室空間でのプライバシーは確保しつつ、介護の専門家に見守られているという安心感があると思います。隣近所に住む人たちは高齢者で、似たような境遇の人もいるので、いいお付き合いができると、さみしさもやわらぐのではないでしょうか。

サービス付きではなくても、高齢者向けの集合住宅はさまざまな種類があり、家賃を抑えられる公営住宅もあります。高齢者向けの住宅は介護の専門家ではなくても管理人による見守りがあったり、高齢者に配慮した設計になっていたりすることが多いので、将来的にも住みやすいはずです。

私が担当している利用者は、80~90代の方が多いせいか、77歳はまだまだお若いと感じます。息子と一緒に暮らしたいということであれば、今から英語を勉強して、思い切って息子がいる海外に行くのも私はありだと思っています。

前向きな一歩を踏み出せれば、今の不安やさみしさは解消されるのではないかと思います。

【まとめ】夫に先立たれ、一人息子は海外暮らし。将来が不安なときには?

  • 地域包括センターが開催しているイベントや体操教室などに参加して、今の不安な気持ちを人に話す
  • サービス付き高齢者向け住宅をはじめとした、高齢者のための集合住宅での暮らしを検討する
  • 英語を勉強して息子家族がいる海外で暮らす

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