専業主婦を理由に、夫は介護費さえ無駄遣いと言います【お悩み相談室】
構成/中寺暁子
地域包括支援センターでセンター長を務める由井洋子さんが、認知症の様々な悩みに答えます。
Q.認知症の義母(80歳)と同居しています。日中はデイサービスなどに行ってほしいのですが、介護保険が使えるとはいえ、食事代なども含めると毎月3万円ほどかかり、夫からは「専業主婦で家にいるのだから、余計なお金を使うことはない」と言われてしまいました(43歳・女性)
A.確かに毎月3万円の出費は、高いと感じてしまう場合もあるかもしれません。平日の朝から夕方まで毎日通うとなると、これくらいの自己負担がかかることもありますが、ケアマネジャーに相談して予算を伝えれば、その範囲内でプランを組んでくれると思います。
例えば週に1、2回程度の利用にする、午前中だけの短時間にして昼食は自宅でとるといったことで、費用は半分以下に抑えられると思います。初めてデイサービスを利用するのであれば、なおさら利用回数や時間は少なめにしたほうがいいかもしれません。
自治体によっては、生計が困難な人に対して介護保険サービスの自己負担額の一部を助成する事業を実施しているので、役所で相談してみるのも一つの方法です。
もしかしたら夫は、デイサービスを利用する目的を十分に理解できていないのかもしれません。単に相談者の負担が軽くなるというだけではなく、お母さんの心身の機能を維持することで認知症の進行をゆるやかにできる可能性があるということも、理解してもらえるといいですね。自宅で何もせずに過ごすことで、認知症の進行が早まり、施設に入居しなければならないような状態になることもあるかもしれません。その場合、より多くの費用が必要になります。できるだけ長く、在宅での生活を維持するためにも、デイサービスに通う意味があるということを伝えてほしいと思います。
それでも夫が納得しないということであれば、地域包括支援センターなどで開催している高齢者サロンや認知症カフェを利用してはいかがでしょうか。参加費は無料なので、夫を説得しやすいかもしれません。
デイサービスを利用するにあたって、何よりも大事なのはお母さんの気持ちです。家族がそろって納得できる形で、利用できるといいですね。
【まとめ】夫が「余計なお金を使うな」と、認知症の義母がデイサービスに通うのを反対するときには?
- デイサービスの利用回数や時間を少なくして、自己負担分の費用を抑える
- 心身機能の維持など、お母さんがデイサービスを利用するメリットを理解してもらう
- 地域包括支援センターなどが実施している無料の高齢者サロンや認知症カフェを利用する
- 認知症カフェはこちらのリンクから検索できます
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