働き盛りで息子もいる 治らなければ知らない方がいい? いいえ、次の一歩を
《介護士でマンガ家の、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》
![「なんだよー」「もうっおにィちゃんっ」オイオイ](http://p.potaufeu.asahi.com/d4af-p/picture/26868577/df2db5ba0db3f9a30f3da1205f0f6001.jpg)
最近、記憶があいまいになったり、
仕事のミスも極端に増えた。
まさか、認知症?
でも、子どもの顔を見ると受診に踏み切れない。
もし、本当にそうだったら、
どうすればいい?
![人混みにたたずむひと](http://p.potaufeu.asahi.com/6786-p/picture/26868575/b05cd341813c8a5d28685409618f51bd.jpg)
認知症への理解が進んだと言っても、
社会はそんなに甘くない。
認知症だと診断されたら
仕事で退職を迫られるんじゃないか。
明らかにしないほうが、
いっそ幸せじゃないのか。
![医師と患者](http://p.potaufeu.asahi.com/9694-p/picture/26868576/d36e44219d6fe8ab5d35026f0cc94055.jpg)
それでも、思いきって受診した。
診断はこれからだけど、来て良かった。
少し、腹がすわった。
人生のかじ取りは、
いつだって自分自身にあるのだから。
認知症がある人を主人公にした
テレビドラマや映画は、
ラストシーンに向けて展開を急ぎます。
それを見て
受診そのものに不安を抱える方が、
少なくありません。
けれど実際には、認知症の進行は、
私たちが思っている以上に
ゆるやかな方が多いのです。
これは、今まで多くの当事者さんに
お会いしてきた私の印象ですが
ご自身で症状を受けいれ、
生き方に主導権を握った方ほど、
進行はゆるやかな方が多いように感じました。
「いくら早期発見が大切といっても、
社会からの偏見はあるし、
今のところ完治はしないなら、
知らないほうがいい」
そんな声も聞きます。
それでも
ご自身が人生の主役であり続けるために、
適切な受診を、と私は願っています。
精密検査に進まずとも、医師に相談し、
ご自身の状況を把握するだけでも、
次への一歩は、明らかに変わるのですから
《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》
![](http://p.potaufeu.asahi.com/nakamaaru/img/nakamaaru450_450.gif)