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ご本人参加の大切さ

認知症地域支援推進員の皆さんと看板の見え方を確認中!
認知症地域支援推進員の皆さんと看板の見え方を確認中!

こんにちは、若年性認知症当事者のさとうみきです。
今日は5月に八王子市内で開催される公園でのイベントのミーティングに、
DAYS BLG!はちおうじ(以下、BLG! はちおうじ)のメンバーさんと一緒に、
担当する地域包括支援センターを訪れました。

この日は、BLG! はちおうじで普段は担当しているスタッフがお休みだったこともあり、
わたしが初めてミーティングに参加しました。

私「わたしで大丈夫ですか?」
BLG! はちおうじ代表の守谷卓也さん「打ち合わせ内容は、メンバーさんが教えてくれるよ!」

それでも、私には、地域包括支援センターの方のお名前を聞いてもお顔が一致しない不安がありました。
「わたしはお会いしたことありますか?」
「(わたしが関わっている)おれんじドアはちおうじのメンバーだよ!」
守谷さんのその言葉にホッと安心感がありました。

そして、メンバーさんと一緒にミーティングに到着し、新型コロナウイルスの感染予防対策のため入り口で検温と手指消毒をしているときでした。

「みきさ〜ん!」と両手を広げて待っていて下さったのは、認知症地域支援推進員(以下、推進員)の千葉さんでした!
おれんじドアでもいつも元気いっぱい! 笑顔で迎えて下さるおひとりです。
そして、お部屋に到着すると、よく見覚えのあるお世話になっている推進員さんが2人!

あれ、お名前が…
みなさん同じ地域包括支援センターの人だったかしら……。

そんな時、横に座っていた千葉さんがさりげなくメモ書きにし、その方の担当する地域包括支援センター名とお名前を書いて教えて下さいました。

そして、本題のイベントのミーティングになると
推進員のみなさんは、とにかくメンバーさんの声を大切に聞いて下さる姿に
同じ仲間としてもうれしく思いました。

チラシについて、メンバーさんからの大切な意見もあがります
チラシについて、メンバーさんからの大切な意見もあがります♪

会話がなされていく中で、
ふとわたしの中で、思い出したことがありました。

ミーティングへと向かっている途中でメンバーさんから出た疑問でした。
「当日、BLG! はちおうじ以外の出店はどんなところがあるか聞きたいなぁ」
そんな言葉でした。

わたしは、すぐに忘れないようにメモ書きにして残しており、質問し、確認することが出来ました。

メンバーさんがイベントでの役割ややりたいことを
メンバーさんが主体となって話すことができる事前ミーティング。
そこに初めて参加した、スタッフでもあるが認知症でもあるわたし。

そんなわたしにも、きちんと「当たり前に」接して下さる。
ちょっと、苦手なことをさりげなくフォローして下さることで、
スタッフとしての活動の達成感(自分の中での納得感)を感じられました。

メンバーさんからも
「今日はにぎやかだったけれど、楽しかったわ!」

そんな言葉を聞くことができて、
メンバーさんにとっても楽しい時間に感じられ、
同じ仲間である当事者スタッフのわたしにとっても
やはりやりがいを感じられ、楽しい時間を過ごすことができました。

当事者参加の大切さ。

そこには、全国でも広がっている
「本人抜きにわたしたちのことを決めないでください」の言葉があります。

八王子市では、昨年の「おれんじドアはちおうじ」がきっかけとなり、
広い八王子市内の地域包括支援センターの推進員のみなさんが、
担当地域を越えて横につながって、手を取り合っていることが実感できるのです。

ご本人さんの声をきちんと聞いて、
「想いをカタチ」にして下さることが目に見えて分かり、変化を感じています。

もしかしたら、まだまだと言う声もあるかも知れません。
しかし、最初からみんなが同じ方向を向くことは難しいことです。
何かをきっかけに少しずつでも……。
当事者のわたしにとっては変化を感じることができることは、
大切なことだと思っております。
そこには「当事者には、待ったなし!」との思いが込められています。

やはりわたしも失敗や疲労感なども増えました。
一方で、やりたいことはたくさんできてきました。
しかし、母でもあるわたしには家庭での時間もあります。

色んな意味で
時間が足りない…
体力が足りない…

ですから、当事者にとって
地域のイベントなどでの役割、声を聞いて頂けることは大切なことでもあります。

認知症になっても何も出来ないわけではないのですから。
認知症が進行しても「ココロも意思もあります!」

これらは、認知症と診断を受けて約3年が経つわたしが、
BLG! はちおうじのメンバーさんやご本人さんとの出会いで、改めて感じられていることです。

わたしたち、当事者の声をたくさん聞いて下さり、ありがとうございます!
みなさまも、これからもたくさんのご本人さんの声を聞いて下さい。

そして、わたしがきちんとメモに残したミーティングの記録をまとめることで引き継ぎができたこと。
こんな小さなことでも、わたしにとっては
ふと、以前に秘書として働いていた時の感覚が戻り、次の自信にもつながっていきます。

自信につながることの大切さ。
メンバーさんにとっても、わたし自身にとっても、そのことを本当に実感できたミーティングでした。

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