隣の芝生は青いもの 百点満点の介護なんてない 頑張るあなたに花丸を
《介護士でマンガ家の、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》
![笑顔の人たち](http://p.potaufeu.asahi.com/20a7-p/picture/26708257/f3b38df48bcefd1e8d642f7413736ce9.jpg)
あの家族がうらやましい。
みんなで支えあって介護をし、
励ましあって。
それに比べて、私ときたら。
![顔をしかめる人たち](http://p.potaufeu.asahi.com/88a1-p/picture/26708255/5c63ca58a1ce25af7c07e9921372431a.jpg)
恥ずかしいほどの、未熟者。
笑えないし、怒ってばかり。
どんどん自分が嫌いになる。
……でも。
![見上げるふたり](http://p.potaufeu.asahi.com/c9e9-p/picture/26708256/b04b90a8b3473cc91af3c3da2dec9333.jpg)
「まぁ、いいか」と口にしてみる。
気楽に、気楽に。
こんなに悩み、嘆くのは
自分なりにやってきた証しだから。
うまくいっていない時に
自分と似た状況でうまくやっている人を見ると、
落ちこんでしまう時があります。
人と比べて、更に自分を追い込んでしまう悪循環。
特に日常に介護があると、悩みは尽きません。
ただ、私が訪問介護員になり、
多くのご家庭に入らせて頂き、
ほっとしたことと言えば
「どの家庭の介護も、百点満点ではない」
ということでした。
不謹慎かもしれません。
でも、私はそこに慰められたのです。
それぞれにとりつくろいながら
図太く生きている人の姿は、
「介護なんて、不完全で当たり前」
を私に教えてくれました。
だから、
今日もなんとかやっているご自身には
せめて、お気持ちの上だけでも
花丸を。
《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》
![](http://p.potaufeu.asahi.com/nakamaaru/img/nakamaaru450_450.gif)