たんぱく質も野菜もたっぷり まとめて作り置きレシピ「牛丼」編
撮影/岸本絢
父親の遠距離介護で、月1回の作り置きを実践している料理家の金子文恵さん。アイデアがいっぱい詰まったレシピを紹介していただきます。今回は「たんぱく質」に注目した、ひと皿で食べられる料理です。
※ 全8回のメニューと1回で済む15食分の買い物リスト、料理の保存については、こちらをご覧ください
※ 料理は普通食です。かむ力やのみ込みに配慮した介護食ではありません
- 高齢者はたんぱく質不足が起こりやすく、低栄養状態に陥ることもしばしばあります。食事の量が以前に比べて少なくなることや、父のようにごはんとみそ汁、納豆といった粗食でいいと思い込む傾向にあるなど、原因はさまざま。しかし高齢者こそ、積極的にたんぱく質を取ることで、転倒や骨折などをしにくいカラダ作りをしていくことが大切です。
食がすすまなくなることの原因の一つとされているのが、味覚の衰え。その中で最後まで残っている味覚が、「甘み」と言われています。言われてみれば、父も私が子供だった頃に比べるとずいぶんと甘党になった気がします。子ども返りしたと思っていたのですが、こういうことが原因だったのかもしれません。
そこで今回紹介する牛丼は、タマネギをたっぷり使い甘めに仕上げました。また油揚げも入れて、動物性と植物性のたんぱく質を両方取れるようにしています。これならば、高齢者もきっと喜んで食べてくれると思います。
ひと皿料理の丼ものですが、市販のチルド総菜などを用意しておいて、一緒に食べてもらうのもおすすめです。
主菜:牛丼
タマネギとインゲンが入った、野菜とたんぱく質が一緒に取れる牛丼はおすすめの一品です。冷凍インゲンは凍ったままだと、手で簡単にポキポキと折ることができて便利。色が変わらないように仕上げに入れるのがポイントです
材料(3食分)
牛肉(切り落としやこま切れ)270g
油揚げ 1枚
タマネギ 1個(200g)
冷凍インゲン 1/5袋(40g)
- 煮汁(A)
おろしショウガ 小さじ1/2
しょうゆ 大さじ4
酒 1/4カップ(50ml)
みりん 大さじ2
砂糖 大さじ1
水 150ml
作り方
- 油揚げは1cm幅の短冊切り、タマネギは1cm幅のくし切りにする。冷凍インゲンは凍ったまま3cmの長さにポキポキと折る
- 鍋に油揚げとタマネギ、Aの材料を入れて中火にかける。沸騰したら牛肉をほぐしながら入れ、色が変わってきたらアクをとる
- 火を少し弱め20分ほど煮て、仕上げに冷凍インゲンを加える
温め時間の目安(1食分)
冷蔵庫解凍(12時間)後、1分〜1分30秒
※電子レンジ(600w)使用
冷蔵庫で解凍するのには時間がかかるので、食べたら翌日のおかずを冷蔵庫に移動させることをルーチンにするのがおすすめです