BLG! はちおうじのお母さんの卒業
こんにちは、さとうみきです。
わたしがDAYS BLG! はちおうじ(以下、BLG! はちおうじ)と出会ったときから、
最初の印象が、とても私の母に雰囲気が似ているメンバーさんがいました。
なんとなく近いとわかっていた…。
「卒業」。その日が来ました。
BLG! はちおうじでは、一般的には「退所」と言われるメンバーさんとのお別れを
次のステージへ進むとの思いを込めて「卒業」と言っています。
この女性のメンバーさんは、男性メンバーさんが多いBLG!に
優しい華を添えてくれていた方です。
いつも穏やかな笑顔が絶えず
ちょっと足元が不安定な場所をみんなで歩くときは
スタッフはもちろんですが
すぐに他のメンバーさんも優しく手を差し出してサポートしてくれました。
この女性メンバーさんの周りは、自然とそんなお互いへの優しさにあふれるオーラに包まれていました。
外出時などに共に過ごすときに、思わずわたしは
「雰囲気が本当に母に似ているんです」
そんなことを伝えたことがありました。
すると
「お母さんよぉ〜」
そう言って笑顔で見つめて下さったときには、重ねてはいけないと思いつつ
2008年に壮絶な闘病の末、亡くなった母の姿を重ねて甘えてしまうこともありました。
「お母さ〜ん!」
なんてギュッと抱きしめると
「はぁ〜い」
と、満面の笑みでこたえて下さいました。
そんなやり取りが、わたしの中で勝手に「BLG! はちおうじのお母さん」という思いへとつながり、たまに甘えてしまっている自分に気づきました。
今年に入り
メンバーさんはときに言葉でのコミュニケーションが難しい場面がありました。
他にも空間認知機能の低下がみられました。
やはりコロナ禍になり環境の変化からか身体的な硬直が強くなり
BLG! はちおうじの卒業が近いと胸騒ぎを感じたわたしは
以前に書いた記事「認知症マフ みきちゃんバージョン」
の掲載日を当時の冨岡史穂・なかまぁる編集長に早くして頂けないかと
無理を言って交渉し、早めて頂きました。
メンバーさんとスタッフとの写真。
わたしが撮影したその写真が好きで、
「記事を早くメンバーさんにパソコン画面で見て頂きたい」
そんな思いからお願いしたのを記憶しています。
確か、女性の急激な変化を感じたのは、ゴールデンウィーク明けの時期でした。
歩行が困難になってきていました。
そのとき、私の主人の実家に、祖母に贈った手押しバギーが大切にしまってあることを思い出しました。
室内で少し使用しただけで、まだ、使えると思いました。
このバギーを女性メンバーさんに活用してもらえるのではないかと考え、
義父母に事情を伝え、取りに行くと
きれいにし、庭で日干しなどをして準備してくれていました。
そんな協力もあり、BLG! はちおうじの守谷卓也代表に、「女性が使用したいと思って下さったら、散歩の補助になるのではないか」と相談し、ご本人の承諾を得てからBLG! はちおうじに持参しました。
女性は何度か使用して散歩をすることができました。
最後の活動日は、「卒業パーティー」。
お天気が良ければ、お弁当を持って公園へ行こうと他のスタッフが計画をしてくれていましたが、朝からあいにくの雨。
室内で、みんなで作ったシチューやマカロニサラダなどのごちそうを食卓に並べました。
食事中は黙食を心がけながら、楽しみました。
しかし、パーティーを終えた午後には天気も良くなり
近くの公園までみんなと散歩に行くことができました。
そのときだけマスクを外して集合写真を撮りました。
メンバーさんみんなに愛された女性でした。
卒業はつらくて悲しさがなかなかなくなりません。
毎回、しばらくは、メンバーさんとの時間について写真などを見ながら思い出し、
振り返りが止まりません。
次に新しく加わる方々との出会いもある。
新しいメンバーさんにも慣れなくてはならない。
わかってはいるのですが
今年に入ってからのわたしの症状のひとつに
環境の変化、スタッフ、メンバーさんの変化に適応することが
苦手になっているということがあります。
今までのわたしの性格からは考えられないのですが
受け入れのみこむまで少し時間がかかることがあります。
卒業があれば新たな出会いもある。
次のステージで輝き続けるメンバーさん。
新たにBLG! はちおうじに参加されるメンバーさん。
どちらもつながりはある大切な仲間であること。
自分自身の状態を把握し、
苦手なことを意識し、自分のココロに問いかけながら整理して対応していく。
そこが一番の今のわたしの課題かも知れません。
そんな症状もあることをスタッフにも理解して頂いていることに感謝しております。
当事者スタッフとして、日々の活動をメンバーさんと楽しみたいと思います。
今のわたしに出来ることを大切に。