お悩み相談室

認知症の父が自宅でリハビリするのは限界がありますか【お悩み相談室】

シルバーカーを押す人

作業療法士の野村和代さんが、認知症の様々な悩みに答えます。

Q.父(78歳)はレビー小体型認知症です。病院で作業療法士の方にリハビリの方法を教わったのですが、なかなかうまくいかず、きつい口調になってしまいます。やはり家族がリハビリを手伝うのは難しいのでしょうか。(52歳・女性)

A.レビー小体型認知症は、幻視(ないものがあるように感じる)や錯視(実際あるものが、別のもののように感じる)、幻聴(存在しない音が聞こえる。レビー小体型の場合、頻度は幻視より低い)などがあるのが特徴的ですが、リハビリテーションをするうえで、ほかにもさまざまな注意点があります。特に「筋肉がこわばる」「手足が震える」「動作が遅くなる」などパーキンソン病のような症状があることから、早期から転倒や骨折のリスクが高く、注意が必要です。それに加えて誤嚥などの摂食・嚥下(えんげ)障害、抑うつ症状、自律神経障害、睡眠障害があり、認知症のBPSD(行動・心理症状)も出やすいと言われています。1日の中で症状の程度が変化する「日内変動」もあります。

リハビリの際には、こうしたことを十分配慮しなければならないので、大変だと思います。さらにご家族がリハビリをする場合は、本人も介助する側もつい本音でぶつかり合ってしまうので、相談者のように「きつい口調」になってしまうこともあるでしょう。

このため、リハビリについてはプロに任せる、すなわちデイサービスやデイケアなど通所系のサービスや訪問リハビリなどを利用されてはいかがでしょうか。

病院で教わったリハビリの方法は、生活の中でいかせますし、家族は環境面を整えるなど、別の角度から本人をサポートすることができます。例えばレビー小体型認知症の人は、部屋に余計なものが置いてあると、それが錯視につながってしまうことがあります。例えば、壁にかかっている上着を見て「お客さんが来ている」、床に落ちているゴミを見て「虫がいる」などと、感じてしまうかもしれません。錯視につながりそうなものはなるべく置かないように部屋を整理するといったことも、環境面からのサポートの一つといえるでしょう。

リハビリをプロに任せている時間は、相談者ご自身の時間。そこでリフレッシュできれば、心身にゆとりができるのではないでしょうか。お父さんとやさしい会話ができるとうれしいですね。

【まとめ】レビー小体型認知症の父のリハビリを介助。きつい口調になってしまうときには?

  • リハビリはデイサービスやデイケア、訪問リハビリなどを利用して、専門職に任せる
  • 家族は環境面からサポートする
  • 専門職にリハビリをしてもらっている間に自分の時間をもち、リフレッシュする

あわせて読みたい

この記事をシェアする

この連載について