認知症の父は人見知り 訪問リハビリは必須ですか?【お悩み相談室】
構成/中寺暁子
作業療法士の野村和代さんが、認知症の様々な悩みに答えます。
Q.認知症の父(84歳)は一人暮らしなので、訪問型の介護保険サービスを受けることになりました。人に慣れるのに時間がかかるので、関わるスタッフは最小限にしたいのですが、ケアマネジャーが作成したケアプランを見ると関わる職種が多くて驚きました。訪問リハビリは必要なものでしょうか。(54歳・男性)
A.まず“訪問リハビリ”について、説明したいと思います。訪問リハビリテーションは、訪問リハビリテーション事業所、もしくは訪問看護ステーションから、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったリハビリの専門職が、利用者の自宅に訪問するサービス。心身機能の回復や維持、日常生活の自立を目指して、支援します。利用するには、主治医が必要性を判断し、指示書を発行する必要があります。このため、本当に必要かどうかは主治医が最終的に判断するという流れになります。
訪問型の介護保険サービスには、訪問リハビリのほかに訪問介護、訪問入浴、訪問看護などがあります。ケアマネジャーは介護保険から給付される限度額の範囲内で、利用者に合わせてサービスを組み合わせ、ケアプランを作成します。ただしケアプランは、ケアマネジャーが一方的に押しつけるものではなく、利用者や家族の希望を聞いたうえで目的を一緒に決め、目的を達成するためのサービスを選んでいきます。このため、まずは「人に慣れるのに時間がかかるので、関わるスタッフを最小限にしたい」という希望をケアマネジャーに伝えるといいと思います。さらにサービスの目的や内容について、しっかり説明してもらうようにしましょう。
また、訪問リハビリテーション事業所や訪問看護ステーションによっては、派遣する担当スタッフが替わることがあります。お父さんの事情を伝えておくと、なるべく同じ担当者を派遣するなど、配慮してもらえるかもしれません。
お父さんにとって必要で、さらに安心できるスタッフがチームとなり、一人暮らしのお父さんを支えていってもらえるといいですね。
【まとめ】訪問型の介護保険サービス。関わるスタッフを最小限にしたい
- ケアマネジャーに希望を伝え、サービスの目的や内容を確認し、必要性を判断する
- 訪問リハビリテーション事業所や訪問看護ステーションに、なるべく担当を同じにしてほしいという旨を伝える