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認知症で「要支援1」の認定に不満 審査はやり直せますか?【お悩み相談室】

説明を受ける人

地域包括支援センターで高齢者の相談に応じている山口明子さんが、認知症の様々な悩みに答えます。

Q.母(77歳)が認知症と診断され、介護保険サービスを申請したいので、要介護度の審査、判定を受けたのですが、要支援1と認定されてしまいました。訪問介護などを週に3回くらいはお願いしたいと思っていたので、不服です。(45歳・女性)

A.要支援1だと訪問介護は週に1回、事業所によっては週に2回訪問してくれるところもあります。週に3回となると確かに難しいですね。

認定には、認定調査と主治医意見書が必要ですが、調査員や主治医に実情がうまく伝わっていないのかもしれません。調査員は、どのような認知症の症状があり、どの程度生活に支障が出ていて、どんな支援が必要なのかといったことを調査するわけですが、目に見えるものではないので、実情が具体的に伝わってこないと判定に反映されにくいと思います。

実情と結果にずれがあり、不服がある場合には、申請しなおして、改めて認定調査を受けることができます。誰しも他人から「しっかりしているように見られたい」という意識があるので、認知症の人が調査の際に普段よりもしっかり受け答えをするというのはよくあることです。このため、家族が実情を伝える必要がありますが、本人の前では大変なことや困っていることを言いだしにくいと思います。事前に調査員に伝えておいて、いったん調査が終わったあとに、本人がいない別室で実情を伝えるのがおすすめです。

また、調査の際には、できればケアマネジャーに同席してもらうといいと思います。専門職であれば、どんなことを伝える必要があるのかをわかっているので、実情に見合った判定を受けやすいかもしれません。また、ケアマネジャーは普段のお母さんの様子から、どの程度の判定になるか、おおよその見当はつくと思います。「申請しなおしたとしても結果は同じかもしれない」もしくは「本来ならもっと重い要介護度になるはず」といったアドバイスをもらえるかもしれないので、申請しなおす前にケアマネジャーを決めるのも一つの方法です。いったんは判定を受け入れて、認定期間の途中で要介護度の区分変更を申請する方法もあります。

訪問介護が週に1回と3回では、ご家族の負担も大きく違ってきます。納得できるような認定を受けられるといいですね。

【まとめ】要支援の認定結果が不服なときには?

  • 不服申し立てをして申請しなおすことができる
  • 認定調査では本人がいない場で実情を伝える
  • 認定調査の際はケアマネジャーから実情を伝えてもらうと、見合った判定を受けやすい

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