感じる気配 誰かが狙うわしの飯 食卓にもレコーダーが必要じゃ
アルツハイマー型認知症のタカオさん。スケッチされたその不思議な世界観を、間学(あいだ・がく)さんがコレクションしています。日本のみならず、海外の人の注目も集めている作品の数々。タカオさんのガイドつきで紹介します。ようこそ、タカオ美術館へ。
- 作品名:Aiming for my foods
- 最近わしの食い物を狙っているやつがいるような気がしてならんのじゃ。気を許していると、結構な頻度で確かに減っていることが判明してな。最初は朝飯のベーコン1枚、昼のカツ丼の肉1つだったけど、それがどんどんエスカレートして、ついこの前も夕飯の時に刺し身や漬物、さらに茶わんの中の炊き込みご飯も突然消失したりする始末さ。これは由々しき事態だから、ほっとくわけにはいかんと思って、食事の時は特に意識を集中して怪しいものが近くに潜んでいないか監視を始めたところなんじゃ。“気配”ってやつじゃよ。気配を感じたら、更に意識を集中しておるよ。ただ一つ問題があってな。孫と一緒に食事してたら「おじいちゃん顔が怖いよ」って言われちまってな。仕方ないとは言え、やっぱりこれは何とかしないと。そうだ! ドライブレコードみたいな“食卓レコード”があればトラブル解消に一役買いそうじゃな。……で、どこで売ってるんじゃ? なければわしが特許を申請してもかまわんぞ!
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