「認知症になっても大丈夫?」 女の子とわたし:1

こんにちは、さとうみきです。
DAYS BLG! はちおうじ(以下、BLG! はちおうじ)には、玄関を入った所に小さな「駄菓子屋さん」があります。そこで出会った女の子との交流を、これから5回にわたってお伝えしようと思います。初回の今回は、女の子からもらった大切な宿題のお話です。
コロナ禍以前は学校帰りの子どもたちが
駄菓子を買いに訪れる光景がありました。

そんな駄菓子屋さんの常連の小さな大切なお客さまで、
メンバーさんにもスタッフにもとても人懐こい小学校3年生の女の子がいます。
その小さなお客さまとの、ある日のエピソードです。
BLG!はちおうじの活動が終わり、職員がメンバーさんの送迎に出ている合間に
わたしが掃除、消毒、片付けを進めている時間でした。
ガラガラ〜
勢いよく扉が開き、
玄関に目を向けると
100円を握りしめた女の子が元気よく靴を脱ぎ、入ってきました。
わたしは思わず
「おー、久しぶりだねA子ちゃん!」
女の子は
「違うよ! わたしはB子だよー」
「そっか、ゴメンゴメン。間違えちゃった」とわたし。
わたしの掃除の様子を見ていたり、ちょっと邪魔したり
遊んでほしい様子でこちらをうかがっています。
わたしは早々に作業を切り上げ
女の子とたわいもない会話を楽しみます。
ふと、女の子が
窓に張られたポスターを見上げながら
「ここのおじちゃんたちはみんな認知症なんでしょう?」と聞いてきました。

「さすが、A子ちゃんはいつも来てくれるから理解してくれているんだね!」
「うん、知ってるよ! ねー、わたしはB子だよー!」
「ごめんね。おばちゃんも認知症だから、名前を覚えられなくて」
「なんで若いのに認知症なの? そんなの変だよ」
わたしは「若年性認知症」について、子どもにも分かりやすいように話をしてみました。
すると女の子は突然、立ち上がり
「認知症って怖い?」
わたしは即答できませんでした。
笑いながら
「なんでー?」話題をそらして、少し雑談を続けると
「帰ったらおばあちゃんに話していい? ねー、認知症になっても大丈夫って言っても・・・?」
そう言うと
女の子は元気に走って出て行きました。
だけどすぐに戻ってきて
「ねえ~、名前はなんて呼んでいい?」
わたしは
「みきちゃんでも、さとうさんでもいいよ!」と、伝えます。
「じゃあー、さとーさん! またねー。
今度は、認知症になっても大丈夫って言ってね!」
また、そう言って、駆け足で帰っていきました。
女の子から、わたしに大切な宿題をもらったかのように
不思議な時間が流れていました。
この子との不思議なエピソードは続きます。
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