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仲間と一緒に輝き続ける

手をつないで仲間を守る優しさ

なかまぁるは、それぞれの「私」が、自分らしく生き続けていくための情報をお届けします。この連載は、東京都八王子市のデイサービスで、認知症当事者スタッフとして働く、さとうみきさんが綴るエッセイです。
そっと男性メンバーさんが手を取る帰り道

こんにちは、「BLG! はちおうじ」(以下、BLG!)のさとうみきです。
今回は、暖かい陽気のなかでお散歩するメンバーさん(BLG! では利用者をメンバーさんと呼びます)の、ホッコリするエピソードです。

この日は八王子市内で営業しているオシャレなカフェへ。
カフェの社長さんが「認知症本人の声を聞いてみたい」と思っているということで訪れ、
みんなでテラス席で美味しいケーキをいただきました。

残念ながら社長さんは急な用件が入ったそうでお話はできませんでしたが、
メンバーみんなで美味しいケーキをテラス席でいただく時間は久しぶり。
(BLG!はちおうじ代表の)守谷さん、ご馳走さまでしたー。

テラス席で短い時間のカフェタイム

BLG!へと戻る帰り道。
この連載の「春を感じカツオとお散歩」の回で登場したお二人に
わたしの視線がとまります。

あの回では、空間認知機能障がいのある女性メンバーさんが、
山道をしんどそうに歩く男性メンバーさんにそっと手を差し出すエピソードをご紹介しました。

今回は、その男性メンバーさん、
女性がゆっくり歩かれる様子を見ていたのでしょう。

「あなたはフラフラしちゃうから、一緒に手をつないで帰ろう?」
そう言って女性メンバーさんの手をそっと取り、
約15分の道をゆっくりと歩いて帰りました。

にこやかなお二人の笑顔にわたしまで笑顔に

女性メンバーさんは、いつも和やかな笑顔が素敵な女性。
言葉でのコミュニケーションがときに難しい場面もありますが、

男性メンバーさんが指を差す方を二人で見上げ、なにやら会話をしているよう
どんな会話がなされているのかしら?と想像しながら、
ホッコリするお姿をわたしは後ろから写真に収めました。

お二人の優しい時間が流れるあいだ、わたしまで優しさに包みこまれました。

ソーシャルディスタンス…
こんな優しい空気を台無しにすることなどできません。

改めて、コロナの終息を願うばかりです。

優しく手をつなぐ男性メンバーさんの手は優しさそのものでした

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