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朝なのに、夜の分の薬も飲もうとする妻。止めると「殺す気か」【お悩み相談室】

薬を飲む人

介護の次世代育成に取り組む坂本雅子さんが、介護・支援活動を生かして認知症の様々な悩みに答えます。

Q.認知症の妻(80歳)と2人暮らしです。妻は持病の薬を飲まなければという意識が強く、朝のうちに夜の分も服用してしまいます。薬を隠すと「まだ飲んでいない、殺す気か」と暴れるので困っています(81歳・男性)

A.誰しも病気にはかかりたくないものです。ですから、認知症の人の中にも「薬を飲まなければならない」という意識が強い方は、たくさんいます。私自身も認知症の人に薬をすでに飲んだことを指摘したら、まさに相談者と同じように「殺す気か」と言われた経験があります。

私が経験したうまくいったケースとしては、薬を飲んだ証拠を見せるということです。高齢者の場合、複数の薬を服用していることが多いですよね。このため、複数の薬を1包化してくれる薬局も多く、1包ずつ「〇月〇日・朝」というように服用する日時を包みに表記してくれている場合もあります。そこで、薬を飲んだ証拠として服用後もその包みを捨てずにとっておきます。そして「まだ飲んでいない」と言われたら、その包みを見せて「さっき飲みましたね。次は夜ですね」とお伝えします。自分で飲んだ証拠を確認できたことで、納得できるようですね。その5分後に同じやりとりをすることもありますが……、本人は納得できるので、お互いのストレスは軽減されるかと思います。

服薬管理の問題については、認知症の人なら誰でも起こることです。相談者の妻とは逆で、服薬をいやがって飲まないというケースもあります。正しく確実に服薬するために、薬局ではさまざまな工夫をしてくれると思います。かかりつけの調剤薬局があれば、ぜひ相談してみてください。

介護保険サービスを利用していたら、訪問薬剤師のサービスを受けることができます。薬剤師が定期的に自宅を訪問し、薬を届けてくれるだけではなく、服薬管理についての相談にものってくれます。相談者のような悩みを話せば、いろいろな方法を提案してくれると思います。まだ訪問薬剤師のサービスを利用していなければ、ぜひケアマネジャーに相談してみてください。かかりつけの調剤薬局があれば、そこが訪問サービスを行っているかどうか、確認してみましょう。

妻にとって「薬をきちんと飲む」ということは、とても大事なことなのだと思います。その意識は尊重しつつ、妻が納得できるような方法を見つけられるといいですね。

【まとめ】認知症の妻が薬を飲んだことを忘れて、2回分服用してしまうときには?

  • 服用後の包みを捨てずにとっておいて、「まだ飲んでいない」と言われたら、その包みを見せる
  • 薬剤師に相談し、妻が納得できるような方法を提案してもらう

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