コロッケもピラミッドも歪んでる タカオさんが慌てた黄金比率の消失
アルツハイマー型認知症の「タカオさん」。その不思議な世界観を、間学(あいだ・がく)さんがスケッチしました。作品の数々は、日本のみならず海外の人の注目も集めています。ところで間さん、タカオさんは何と言っていたんですか?
血糖値も老眼も、海馬の萎縮も関係ない。いつの頃からか、どこかで静かに宇宙のゆがみが始まっていたんじゃ。わしが異変に気づいたのはスーパーの総菜コーナーでコロッケの形が何だか変だと思った時からじゃった。1:1.6の黄金比で出来ていたはずのコロッケが、驚愕の変貌を遂げていた。俵型やまんじゅう型、ゴルフボール型なんてのもあってな。もしかしたら昔から人間が美しいと感じる黄金比が世界中で消失し始めとるかも知れん。ミロのビーナスもピラミッドも、パリの凱旋門だって、よく見たら少し形が変わっとるんじゃないのか。わしはもうとっくに禁煙しとるが、どうやらタバコのパッケージにも黄金比じゃない変てこなカタチが現れとるらしいぞ!
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