認知症と共に生きる。もし、私の歩いてきた道が、そこに続くなら…
《介護士でマンガ家の、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》
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いつか私も、
認知症になるかもしれない。
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認知症は、
これから私が、巡り合うかもしれない、
可能性のひとつ。
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私の歩いてきた道が、
そこに続くなら。
絶対に、認知症にならないように。
そんな声を聞くと、私はちょっと寂しい気持ちになります。
認知症はそんなに、忌み嫌われるものでしょうか?
私が介護士になって良かった、と思うことの一つに、認知症と共に生きる方々との、出会いがあります。
ひとりひとりを数にしては申し訳ない、と思いつつ、きっと優に、百人二百人は越えているでしょう。
そしてそれは、
人間は本来、どんな時もおおらかに生きられる、と教えられた、
何百回もの出会いでもありました。
認知症になったらどうしよう、と不安を持つのは、当然かもしれません。
けれど「認知症はこんなに大変だ」と伝えるニュースの裏には必ず、
「それでも、なんとかなるもんだよ」と日々を生きる、当事者の方々の笑顔があるのです。
《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》
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