「息子の若年性認知症はあなたのせい」義母に責められます【お悩み相談室】
構成/中寺暁子
若年性認知症の支援活動に関わってきた高橋惠美子さんが、若年性認知症の様々な悩みに答えます。
Q.夫(52歳)が1カ月ほど前に若年性認知症と診断されたのですが、義母から「こんなに若いのに認知症になるなんておかしい。あなたに原因があるんじゃないか」「もっと早くあなたがおかしいことに気づいていたら発症しなかったんじゃないか」などと私が責められます。義母もショックを受けているのはわかるのですが、子どもたちの前でも責められるのでつらいです。(49歳・女性)
A.若年性認知症の場合、高齢で発症する場合と比べて本人も家族も「なぜ自分が?」「なぜ夫が?」「なぜ息子が?」という思いを抱く傾向があります。原因がわからないだけに、お義母さん自身も内心は「自分や育て方などに原因があるのかもしれない」と思っているかもしれません。それを認めたくなくて嫁のせいにしてしまうのでしょう。1カ月前に診断されたとのことなので、お義母さんもまだショックを受けている状態で、混乱して嫁を責めているだけということもあります。息子の病気を受け入れていく中で、冷静に考えられるようになると、相談者を責めることはなくなるかもしれません。今は「私のせいじゃない」と反論せず、聞き流すことをおすすめします。
今後介護が必要になったとき、お義母さんに協力してもらったり、相談したりしたほうがいいこともあると思います。そのときのためにも、関係がこじれてしまうのは、できれば避けたいですよね。
「子どもたちの前でも責められるのがつらい」とのこと、お子さんたちの年齢にもよりますが、父親の病気について正しく伝えていれば「おばあちゃんの言っていることが正しい」とは思わず、子どもなりに状況を理解できているのではないのではないでしょうか。逆に味方になってくれることもあると思います。
若年性認知症の家族会では、相談者のように若年性認知症になった夫の親族から責められるという話はよく聞きます。家族会に参加して、同じような立場の人たちと話をしたり、つらさを分かち合ったりしながら、うまくストレスを解消できるといいですね。
【まとめ】若年性認知症になった夫の親族に責められるときは
- 反論せずに聞き流す
- 介護が必要になったときに協力し合える関係を保っておく
- 同じ立場の人と話をしたり、つらさを分かち合ったりする