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若年性認知症で退職した夫 仕事への意欲を取り戻すには【お悩み相談室】

タブレットに目を通す男性のイメージ

若年性認知症の支援活動に関わってきた高橋惠美子さんが、若年性認知症の様々な悩みに答えます。

Q.夫(55歳)が半年前に若年性認知症と診断され、仕事を辞めてしまいました。職場でのミスを部下に何度か指摘され、すっかり自信をなくして再び働く気はないようです。でも私からみると体力はあるし、言動もまだしっかりしているのでどんな仕事でもいいから働くことが本人のためにもなると思っています。どうしたら働く意欲を取り戻してもらえるでしょうか。(56歳・女性)

A.若年性認知症と診断されても、体力があり、言動がしっかりしているという今の状況なら、働ける場はあると思います。ハローワークの障害者窓口や都道府県ごとに設置されている「障害者職業センター」などで、どのような職場で働ける可能性があるか、相談してみてはいかがでしょうか。障害福祉サービスの一つである「就労継続支援事業所」での就労は、若年性認知症の人でも働きやすい場だと思います。一般企業での就労が困難な人に就労する機会を提供する場所で、雇用契約を結ぶA型と、非雇用で作業量に応じて一定の報酬が支払われるB型があります。若年性認知症の場合には症状の進行に合わせて柔軟に対応できるB型が適していると思いますので検討してみてください。

一方で、若年性認知症は進行性の疾病であるため同じ仕事を続けることは難しくなってきます。その場合は、都道府県には若年性認知症支援コーディネーターのいる相談支援窓口があり、本人の状況に応じた伴走型の支援をしてくれるので、問い合わせてみてください。ちなみに、東京都は2か所の総合支援センターを開設しており、先進的な場所では地方自治体でも相談窓口を開いているところがあります。

もしも働くということに自信が持てなければ、ボランティア活動から始めてみるのもいいですね。例えば手作業や接客対応、パソコンなど得意なことがあれば、そのスキルを活かせると働く意欲につながると思います。
私が理事長を務める「若年性認知症交流会ちいたび会」では、定期的に若年性認知症カフェを開いています。そこでも認知症の方にお手伝いをしてもらっています。少ない金額ですが謝礼をお渡しすると、とても喜ばれるんですね。自分で働いて稼ぐということは、生きる意欲にもつながるのだと思います。

【まとめ】働く意欲を取り戻すには? 

  • ハローワークや障害者職業センターで相談する
  • 症状の進行に合わせて柔軟に対応してもらえる就労継続支援B型事業所で働く
  • 得意分野を活かせるボランティア活動から始めてみる

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