何度も繰り返す、認知症の人の思い出語り。本当にいつも「同じ話」?
《介護施設で働く漫画家、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》
![「俺さ、こーんなおっきい鯛、釣ったことあんの!」誰だってとっておきの話がある。](http://p.potaufeu.asahi.com/3f88-p/picture/16257720/29ab0fd8a2880818b4ae82089c34080d.jpg)
木村さんはその話をするとき、イキイキされる。きっと、一番幸せな思い出なのだろう。
![「おっきいやつ、釣ったの」口数がへってもその話は、とっておき。](http://p.potaufeu.asahi.com/7d12-p/picture/16257721/67132a31d36d93d215026ba3b41a71cc.jpg)
年を重ね、木村さんのお話は短くなっていった。そして、ついにそのお話もされなくなった。
![今は、私のとっておき。「大きな鯛を釣られたんですよね」](http://p.potaufeu.asahi.com/e332-p/picture/16257723/a5a186eb70ce90c46a467012465818fa.jpg)
とっておきの話がある方は幸運だ。何度でもその幸せを呼び起こせる。
認知症を深めた方が、同じ話を繰り返すことがよくあります。
でも本当にいつも「同じ話」なのでしょうか?
よく伺うと話のベースは同じでも、
その日によって状況のとらえ方が変わっていたり、
内容が足されていたり、引かれていたりします。
繰り返されるお話は、介護者がその方の今を知る、入口になると感じています。
《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》
![](http://p.potaufeu.asahi.com/nakamaaru/img/nakamaaru450_450.gif)