「認知症バリアフリー社会」目指して厚労省に100団体が集結。認知症官民協議会が設立式
冨岡史穂
認知症になっても住み慣れた地域で普通に暮らせるような「認知症バリアフリー社会」の実現を目指して、政府や当事者団体と、経済団体、業界組織などが連携して取り組んでいくことを目指す「日本認知症官民協議会」の設立式が22日、厚生労働省で開かれました。根本匠厚生労働相らが出席して設立の挨拶を述べ、日本認知症本人ワーキンググループ(JDWG)の藤田和子さん、丹野智文さんらが「認知症とともに生きる希望宣言」を根本厚労相らに手渡しました。
協議会は、認知症バリアフリー社会の実現に加えて、認知症の早期発見やリスク低減、共生といった取り組みを進めていくための連携推進を目的としています。設立式には、金融、交通、住宅などの業界団体や、経済団体、労働組合、地方団体、学会などが出席。22日時点で、官民学あわせて約100団体が参加登録しています。
協議会の実行委員に就任した「認知症の人と家族の会」代表理事の鈴木森夫さんは、「誰もが、認知症になったり、認知症の人の家族介護者や支援者になったりする可能性がある」として、より多くの人が「自分ごと」に引き寄せて認知症について考えてほしいと話した上で、
- 認知症のことを正しく知り、認知症の人と家族を理解してほしい
- 認知症の人への支援と家族への支援は車の両輪。それぞれの悩みを知ってほしい
- 認知症と診断される前から最期まで、尊厳が尊重され、切れ目のない支援があるようにしてほしい
- 気軽に相談できる場を増やしてほしい
- 身近なところから支援の輪を広げ、一緒に社会をつくっていってほしい
- 認知機能が低下しても暮らしやすい環境を整備し、日常生活、社会生活に関する技術革新を期待する
と訴えました。
協議会はまず、「認知症バリアフリーワーキンググループ」を立ち上げ、6月以降に活動を具体化させるとしています。