注意したい「隠れ脱水」この一品で水分を 認知症の母が喜ぶ毎日ごはん
撮影/百井謙子
フードライター大久保朱夏さんが、認知症のお母さんとの生活のなかで見いだしたレシピを紹介します。「隠れ脱水」が怖い季節。水分を摂ることを嫌がる母には、食事に工夫を。
※料理は普通食です。かむ力やのみ込みに配慮した介護食ではありません
4月の通院日、薬剤師から春から初夏にかけては「隠れ脱水」に気をつけるように言われ、はっとした。脱水に気づかないうちに、体調を崩す高齢者が増えるという。
母はやせ型でいつも寒そうに見えるし、風邪を引かぬようにと、つい厚着をさせてしまうが、気温が上がってきて、案外、汗をかいていたかもしれない。
認知症の介護は、気候に合わせた適切な服選び、水分摂取、排便コントロールまで気を配らないといけないのかと、そのアドバイスで知ることができた。
家族も介護の技術、知識、想像力が必要になる。
母の体調をトレースしていくうちに、母の体と同化するような感覚になった。
冷たい飲み物も、熱い飲み物もいじわるをされていると感じるようで、どちらも不評。
「水を飲んで」と促しても「トイレに行きたくなるからいらない」と断られてしまう。これには困った! そこで食事からもより多くの水分がとれるよう、もずくにだし汁をかけて出すようにした。
ツルツルもずくとトマト
袋からそのまま出して使える生もずくはストックしておくと便利。食物繊維もとれる頼れる食材のひとつです。適度に水分を含んでくれる上に、ツルツルとして喉越しがよいので、わかめやめかぶなど他の海藻類よりもよく食べてくれました。
材料 2人分
生もずく 120g
トマト 1個
だし汁 100ml
ポン酢 小さじ1/3
しらす 小さじ2
白いりごま 適量
作り方
- トマトはヘタを除き、ひと口大に切る
- 器にもずくとトマトを入れ、だし汁を注ぐ
- しらすと白いりごまをのせ、ポン酢をたらす