親が認知症かも?心配なときの相談できる窓口や公的機関 もめない介護2
編集協力/ Power News 編集部
久しぶりに会った親に、濃厚な「老い」の気配を感じてドキリとする。一定の年齢以上になると誰しもそんな経験をされているのではないでしょうか。
以前は当たり前のようにできていたことができなくなっていたり、もの忘れが増えていたり……といった具体的な変化が見えると、子ども側はハラハラ。当の親本人は「大丈夫!」の一点張り。まったく意に介していないケースは少なくありません。
子どもからすると、その危機感のなさがまたまた心配になるわけですが、親自身が必要性を感じていないところにあれこれ言ってもうるさがられるだけ。では、こんなとき、どうすればいいのか。
まずは「包括」へ相談を
おすすめなのは、親の住所地を担当する「地域包括支援センター」を探し、連絡を取っておくこと。地域包括支援センターは高齢者の暮らしを地域でサポートする公的機関です。社会福祉士や保健師、主任ケアマネジャーといった専門資格をもった職員が、専門を生かしながらさまざまな相談に乗ってくれます。
うちの場合、地域包括支援センターにつないでくれたのは、夫のいとこでした。義母のちぐはぐな会話で異変を察知。すぐ地域包括支援センターに連絡し、「相談に行くといい」と勧めてくれたのです。
すでに「見守りの対象」だった
相談に行くとじつは半年ほど前から、義父母が地域の“見守り対象”のリストに入っていたことがわかりました。「盗難に入られた」と義父が警察に通報した折、やりとりの様子から地元警察が地域包括支援センターに連絡。定期的に、地域包括支援センターの看護師さんや保健師さんが訪問してくれていました。
訪問時には、認知症から来る「もの盗られ妄想」や「幻視/幻覚」を思わせる発言もしばしば見られたそう。それとなく、介護保険の利用を提案してはみたものの、義父母は「まだ困っていない」「もっと困っているお年寄りを助けてあげて」と、とりつくしまもなかったということも知りました。
何も知らなかったのは家族だけ。私たちが次々と“予兆”を見逃している間も、フォローしてくれていたことがありがたいやら、申し訳ないやら。でも、今まで放っておいたことをとがめられるどころか、「ご家族さまからご連絡をいただけて本当に良かったです」と何度もお礼を言われました。
いざというときのために
じつは義父母は看護師さんたちに対して「子どもたちは皆、仕事があり忙しい」「子どもたちには絶対電話をしないで」と必死の口止めをしており、それ以上は介入したくてもできずにいたとか。
地域包括支援センターは、うちの義両親のように「いよいよ介護が待ったなしで必要!」という場合はもちろん、「介護はまだ必要なさそうだけど、高齢の親が心配」といった相談にも応じてくれます。
地域包括支援センターは、担当区域が決まっています。インターネットで「地域包括支援センター (親の住所地がある)市区町村名」で検索するか、親が住んでいる地域の役所に問い合わせ、連絡先を押さえておくのが最初の一歩です。
離れて暮らす高齢の親がいる場合は、できれば電話をかけ、こちらの連絡先を伝えておきたいところ。こうしておけば、いざというとき、スムーズに動き出せます。また、もしかしたら、家族は気づかずにいた親の現況を知るきっかけになるかもしれません。