認知症とともにあるウェブメディア

へもでもできるもん

自慢の歩行も足元はフラフラ 彼女の頑固一徹の父との負けられない闘い

現役のケアマネジャー「へも」の周りでおこる出来事を、本人が描きおこします。
会社で役職に就いていて、無駄にプライドが高い江羅総太さん(67)は、妻の和江さん(67)、娘のぶり子さん(37)と暮らしていました。ある日、総太さんが自宅で突然、倒れて入院。ぶり子さんの彼氏であるへもが、総太さんの担当ケアマネになりました。退院から1カ月後、様子を見に行ったへもに、総太さんは自慢の歩行を見せてくれたのですが…。

へもの前でご自慢の歩行を見せる、父江羅総太さんであったが ガクガク、ブルブル「ほら、歩ける」 待て待て待て!! 
へもはサーカスを見ている気分であった「もう歩行器なんていらない」転んだら終わりだ!! 今すぐ座れ!!
 「歩行器なしで歩くのはまだ早いと思います」何してんだ、「私の体は私が一番分かってる!! もう大丈夫だ!!」歩行器はいらない!! 『やれやれ』
 「少し前まで会社の最前線で頑張っておられたので早く復帰したい気持ちは分かります・・・でも、その焦りが逆に危険だと思います」負けられねぇ!! 「う・・」ちょっと納得
「少しでも早く自立した歩行をしたいのであれば、訪問リハビリを利用しませんか?」「そんなのは必要ない!! 私の体は良くなっているのだから!! 散歩も頑張っている!!」
『まぁ・・・そう言うと思ったよ。でも…良くなっているのは事実だ・・・向上心もあるようだし。こういうタイプの人には何を言っても駄目か・・・無理強いして俺との関係が悪化するのは好ましくないし・・・』
「分かりました。ただし焦りは禁物です。今は、『歩行器を使って転ばないように歩く』、最終目標『歩行器を使わず歩く』というのはどうでしょう?」やれやれ 「お・・・おう・・・」
「あと、散歩は和江さんが必ず付き添ってください。まだ一人で散歩は危ない」「はい」「仕方ないな・・・」なんとか説得できました

あわせて読みたい

この記事をシェアする

この連載について

認知症とともにあるウェブメディア