「ここにしたい」と感じた一番の理由とは ヘルパーの登録事業所選び
新卒で入社した出版社で、書籍の編集者一筋25年。12万部のベストセラーとなった『87歳、古い団地で愉しむ ひとりの暮らし』（多良美智子）などを手がけた編集者が、40代半ばを目前にして、副業として訪問介護のヘルパーを始めることを決意しました。働き始めるために必須とされた「介護職員初任者研修」を無事修了。ヘルパーとしての仕事探しのために3つの事業所の面接を受け、よくよく検討した結果、最初に面接を受けたT事業所にヘルパーとして登録することに決めました。
どの事業所に所属するかで、ヘルパーとしての働きやすさはだいぶ変わってくるように思います。複数の事業所で面接を受けたことで、自分なりに「これが重要なポイントだな」というのが見えてきました。以下の点から、T事業所にぜひ登録したいと思いました。
規模の大きさ
一番の理由は、規模の大きさでした。T事業所には130人の利用者さんがいます。それだけの利用者さんがいれば、様々なお宅に訪問できそう。サービス内容も様々でしょう。新米ヘルパーとして、まずは少しでも多くの経験を積んでいきたいと思いました。
身体介護が多い
T事業所は、要介護度の高い利用者さんが多く、提供するサービスのうち「身体介護」の割合が高いというのも、登録先として選んだ大きな理由でした。「生活援助」も重要なサービスだとはわかっていますが、せっかく時間をかけて介護職員初任者研修を修了したのだから、習得したおむつ交換などのスキルを実地で活かしたいという思いがありました。身体介護の方が時給が高いということも、もちろんありました。
登録ヘルパーが多い
先の「規模の大きさ」とも関わりますが、登録ヘルパーが30人もいるという点も、いいなと思いました。つまり自分の同僚になる人たちが多いわけです。一緒に働く仲間は大人数のほうが人間関係に煮詰まらずに済むのではないか、と考えました。とくに、私のように週に数時間しか働かない者にとっては、少人数で関係性ができているところには入りづらそうだと懸念していました。30人もいれば、きっと親しくなれるヘルパーさんも1人や2人いるでしょう。ヘルパーさんが多ければ、私が短時間しかシフトに入れなくても、大きな迷惑にはならないのではないかとも思いました。
手当が多い
面接時に給与体系について説明を受けましたが、T事業所は様々な手当がつく点が良心的だなと思いました。利用者さんのご自宅には主に自転車で向かいますが、事業所所有のものを利用せず、自分の自転車を使うと、月1000円の手当が出るとのこと。その他、自分のスマホでサービス記録用のアプリを使うことで、月500円の手当。早朝・夜間の時間帯や土日祝日、年末年始の勤務には加算がつきます。事業所内での研修や月末ミーティングに参加したときにも給与が支払われます。たった15分、スマホのアプリ上で座学研修を受けるだけでも手当が支給されるのはありがたいです。サービスの当日キャンセルは6️割補償など、安心して働ける環境が整っているように感じました。
サポート体制がしっかりしている
ヘルパーに対してのフォローが手厚いのも、良いなと思った点です。
担当となったお宅に、いきなり1人で伺うということはなく、職員さんからまず事前の詳しい説明があります。その後は、一度他のヘルパーさん（あるいは職員さん）に同行する回が入ります。ここで現場の様子を見て、いよいよ次回から自分だけ、という段取りになるそう。1人で行くようになっても不安があるときは、職員さんに同行してもらうこともできるとのこと。万全のサポート体制です。定期的に介護スキルの研修をしてくれるのもうれしいフォローです。
最終的な決め手は「ここで働きたいな」という直感
このように様々な要因がありましたが、最終的な決め手は直感です。面接してくれた職員さんや事業所内の雰囲気が良く、「ここで働きたいな」と思わせられたのです。相性、でもあるのでしょうか。こういう直感はけっこう当たるものです。
……これは後日談ですが、2024年の現在、T事業所に所属して3年になります。今感じているのは、3年前の選択は間違っていなかったな、ということ。
シフトに入れる日時が限られているのに、たくさんの利用者さんがいるため、途切れることなく訪問先を入れてもらえています（入院やホーム入居、あるいは亡くなるなどで、利用がストップになる方も多いのです。でも、新しく利用スタートする方もどんどん入ってきます）。
職員さんのサポートにもずいぶん助けられています。しばらくぶりにテープ式おむつ交換のサービスに入ることになり、不安に感じていると、おむつ交換の研修と訪問同行をしてもらえました。とても心強かったのを覚えています。
勤続年数が長い人が多いのも、ヘルパーを大事にする事業所、ということでしょう。
ヘルパーとして働くうえで、事業所の存在はとても大きいです。良い事業所に巡り合えてラッキーだったな、と思っています。
