認知症とともにあるウェブメディア

副業ヘルパー

いよいよ登録ヘルパーへ 事業所はどうやって探す? 時給に数百円の差も

修了証書。がんばったかいがありました
修了証書。がんばったかいがありました

新卒で入社した出版社で、書籍の編集者一筋25年。12万部のベストセラーとなった『87歳、古い団地で愉しむ ひとりの暮らし』(多良美智子)などを手がけた編集者が、40代半ばを目前にして、副業として訪問介護のヘルパーを始めることを決意しました。働き始めるために必須とされた「介護職員初任者研修」を1カ月の自宅学習期間と10回のスクーリングを経て、無事修了。いよいよ、ヘルパーとしての仕事探しです。

介護系専門求人サイトで自宅近くの事業所を検索

2020年11月から受講した介護職員初任者研修は、年が明けて2021年2月に終わりました。3月に入り、修了証書が送られてきました。
いよいよこれで、ヘルパーとして働ける…!

では、どうやって働くか。まずは訪問介護の事業所探しです。
公的介護保険制度のもとでは、ヘルパーは利用者さんから直接雇われるのではなく、訪問介護事業所を介して利用者さん宅に伺うことになります。
私が希望するのは「登録ヘルパー」。文字どおり事業所に登録し、可能な日、可能な時間帯だけ働く形です。フリーランスに近いイメージでしょうか。働いた分、つまりサービスに入った件数分、報酬をもらえるシステムです。
私のように副業での勤務を希望しており、超短時間しか働けない身には、登録ヘルパーはもってこいだ!と思ったのです。

事業所探しはインターネット上の、介護系専門求人サイトを主に利用しました。自宅近くにどれだけの事業所があるか、まず検索してみました。すると、けっこうな数がヒットしました。へえ、ヘルパーの事業所って、こんなに近所にたくさんあるんだ。
たしかに、町を歩いていると、「訪問介護ステーション」の看板を掲げているところをいくつも見かけます。以前は美容院など別の店舗だったのが、気づいたら「あれ、訪問介護の事業所に変わってる」ということも何度かありました。高齢化を反映して、訪問介護事業所も増えているのでしょうか。私の住む地域が下町で、高齢者がとくに多いこともあるかもしれませんが…。

限られた時間を副業にあてるわけで、事業所への行き帰りの時間は少しでも短縮したい。家から1km圏内、自転車で5️分くらいのところで、候補となる事業所を絞り込みました。
いずれの事業所も「1日1時間からOK」となっており、勤務時間については心配なさそうです。

事業所探しは介護系専門サイトで
事業所探しは介護系専門サイトで

「身体介護」と「生活援助」の違いとは?

さて、ここからさらに、どう絞り込んでいくか。
介護業界で働くのはまったく初めてのことだったので、どこの事業所がいいとか、全然わかりません。となると、あとはやはり時給になります。
ヘルパーの時給は一律ではなく、地域によって、事業所によっても違いがあります。同じ町内にあるA事業所とB事業所で、1時間あたり数百円違うということもありました。
たくさんの求人を見るうちに、「相場」がだいたいわかってきました。公的介護保険で運営されているので、介護の仕事内容そのものは、どこの事業所から派遣されても変わらないはず。稼ぐことが主目的の副業ではないので、時給の高さにそれほどこだわるわけではないけれど。同じ仕事をするなら、少しでも多くもらえるところで働きたいと思うのが人情というもの…。

その時給ですが、ほとんどの求人で「身体介護 〇〇円」「生活援助 〇〇円」と2本立ての記載になっています。
「身体介護」とは、利用者さんの体に直接触れて行うサービスです。具体的には、排泄(はいせつ)介助から食事介助、更衣介助、入浴介助、移動・移乗介助と、つまりは初任者研修で習ってきたことです。
一方、「生活援助」は、利用者さんの体に直接触れないで行うサービスとされます。洗濯や掃除、(食事介助のない)食事の用意、ゴミ出しといった家事的なことです。
どちらのサービスも重要であることに変わりはないのですが、身体介護の方がより専門性が要求され、重労働でもあるからでしょう。生活援助より時給が高めに設定されています(介護保険上の介護報酬も身体介護の方が高い)。たとえば、身体介護が1時間あたり2000円なら、生活援助は14️00円、といった差がついています。
時々、一律1600円といったように、身体介護も生活援助も同じ時給の求人があります。この場合、生活援助は他より高めの設定になりますが、身体介護は低めになってしまいます。うーん、どちらがいいのだろう…。判断がつきかねますが、やっぱり身体介護と生活援助が別々に設定されているほうがいいなあと思いました。

応募の履歴書には正直に「副業として短時間働きたい」旨を書く

最終的に、3つの事業所に絞り込みました。応募は求人サイト経由で行います。先方が閲覧できるプロフィール(簡易な履歴書的なもの)を作成するのですが、志望動機の書き方に迷いました。副業で、しかも超短時間で働きたいなんて、不真面目、ひやかしだと思われないだろうか…。けれども、そこは絶対に外せない条件だから、正直に書かないと。介護職をめざすことにしたきっかけを書いて、真剣さを伝えられればと思いました。こんなふうにまとめました。

会社員をしており、副業として週1回、2〜3時間の勤務を希望しています。
3年前に実家の母が要介護となり、介護者である父をフォローする中で、ヘルパーさん含め多くの介護関係者の方にふれ、介護職に興味を持つようになりました。なかでもヘルパーの仕事をしてみたいと思い、介護職員初任者研修を取得いたしました。
本業があるため、たくさんは働けないですが、少しでも地域のお役に立つことができたらと願っております。

あとは、応募した事業所からのリアクションを待つのみです。

あわせて読みたい

この記事をシェアする

この連載について

認知症とともにあるウェブメディア