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よー分からんがとにかく感動した!!@きのこ〜BLGの活動報告

BLG高知について知ろう
BLG高知について知ろう

認知症の人と「ともに生きる拠点づくり」を進める100BLGは、同じ思いを持つ全国各地の事業所とともに「学び合いのプラットフォーム」となるネットワークをつくっています。各事業所は、それぞれの土地柄や文化に合わせたかたちで運営されています。今回は、岡山県井原市にあるBLGきのこ(在宅複合施設「西部いこいの里」)からの報告です。

皆さんこんにちは。BLGきのこの川崎です。
寒さも緩み、日ごとに春の訪れを感じるようになりましたね。「あれ、上着はどこに脱いだっけ?」と皆で探し回る、そんなほんわかした時間が増えてきた今日このごろです。

さて、私たちはこれまで様々なBLGでの研修を通じて、各拠点とのつながりや取り組み等について学ぶ機会をいただいてきました。メンバーさんとこれからの活動について話し合いをする際、「BLG○○はこんなことをしているらしい」と、私たちと同じように日々活動している拠点が全国にあることをよくお伝えしています。そんな中、2カ月前にBLG高知の取り組みについて学ばせていただく機会がありました。後日メンバーさんへ、若年性認知症の当事者でもある山中しのぶさんが立ち上げられたという話とともにお伝えすると、「そんな人がおるんじゃ、すげーのー!!」「(四国のBLGは)高知とたしか香川にもあったんけー?」と話も盛り上がり、<BLG高知を知ろう!!>と題して一緒に学び合う時間を作ってみることになりました。

BLG高知の立ち上げについては、記事「誰もが一人と感じない場所をつくりたい@高知~BLGの活動報告」をご参照ください。

テレビを用意し映像を観ていただくという、普段とは一味違った活動になぜだか少し緊張気味のメンバーさんたち。しかもその日集まったのは、たまたま全員が男性メンバー。しばらくして、「もっと音を大きくして!!」「明るくて見えにくいなー!!」と、声があがり始めたところでいつもの雰囲気に戻ってきた、この空間に慣れてきたのかな、という印象を受けました。その後は真剣にBLG高知の話に聞き入るメンバーさんたち。腕を組み、じっと画面を見つめる方。ポケットから紙切れを出し、何やらメモを取っている方。それぞれが何かを感じ、思いを抱いている。そんな1時間があっという間に過ぎていきました。

真剣に視聴するメンバーさんたち
真剣に視聴するメンバーさんたち

視聴後、メンバーの皆さんに感想や思いを共有する時間を提案してみましたが、その場ではすぐに意見は出ませんでした。あとで個別に確認してみると、

「よー分からんがとにかく感動した!!」
「病気があってもいろいろできることはまだある」
「家でゴロゴロするより、ワシらには自由に動ける場所がある方がいい」
「家族は『危ないから動かんでいい』と言う。分かるけれど、やっぱり動けた方が楽でいい」
との声をいただきました。

メンバーさんの取っていたメモ/笑顔で生きることが大事だ。みんなといるとたのしい。トシコさん 仲間とともに 山中しのぶさん
メンバーさんの取っていたメモ

皆で集い、学び、感じ、自身の気持ちを素直に言葉にして伝えることができたのはBLGでの横のつながりがあったからこそだと改めて感じました。今回のような時間を大切にしながら、今後も活動の中に取り入れていきたいです。最後に、山中しのぶさんをはじめBLG高知の皆さん、本当にありがとうございました。

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