先を見越したケアマネからの提案 介護と仕事の両立を破綻させないために
タレント、アナウンサーとして活躍する“コマタエ”こと駒村多恵さんが、要介護5の実母との2人暮らしをつづります。ポジティブで明るいその考え方が、本人は無意識であるところに暮らしのヒントがあるようです。介護と仕事の両立を続けていくために、介護サービスの見直しについて、ケアマネさんから提案を受けたときのお話です。
介護サービスの見直し
「お母様のサービス、見直した方がいいと思うんです」
先日、ケアマネジャーさんから提案を受けました。きっかけは土曜日のヘルパーさんの臨時利用。普段、土曜日の仕事を受けるときはデイサービスで預かってもらえる時間内に帰宅するようにしているのですが、日帰りで大阪へ行く仕事があり、地元なので、終わってから幼馴染みとご飯を食べる、もしくは墓参り、あるいは、親戚の家に立ち寄るなど、何かしらプラスアルファの行動が出来ないかと思い、臨時利用申請をしていたのです。
ところが、土曜日の夜に入ってもらえるヘルパーさんがいないとのことで、母のデイサービスからの帰宅時間が私のタイムリミット。結局、いつもと同じ。余裕はありませんでした。せっかく大阪まで帰って来たのにと少しがっかりしましたが、ならばと、幼馴染みが会場まで会いにきてくれて、帰りのタクシーに一緒に乗り込み、新大阪駅までの車中、15分ほどお喋りをし、改札で見送ってくれました。その次の大阪の仕事のときは、新幹線の時間まで1時間ほど余裕があったので、ランチへ。時計を横目に見ながらの忙しないランチでしたが、幼稚園、小、中学校を共に過ごした友人と束の間の楽しい時間を過ごし、夕方までに東京に戻りました。
担当のケアマネさんとは15年以上のお付き合い。在宅介護と仕事の両立が破綻しないために色々考えて下さいます。
私が引き受けるのを諦めようとした仕事を、なるべく受けられるようにと策を練って下さったこともありました。
いつも通っているデイサービスの休業日に、仕事が重なったときのこと。幸い、そのデイサービスの系列の通所施設が受け入れてくださったのですが、帰りの送迎が午後の早い時間じゃないと難しいとのことで、私が帰宅できるまで、母が一人で過ごす時間が3時間以上に及ぶ目算になりました。万が一の発作のことを考えると、あまり間があくのは心配です。しかし、訪問介護はいわゆる「2時間ルール」により、ヘルパーさんの連続利用はできない仕組み。1回サービスに入ってもらったら、次のサービスは2時間以上あけなければなりません。ケアマネさんと相談した結果、毎週来てもらっている訪問リハビリの理学療法士さんに曜日を変更して空白の時間に来てもらえないか打診しました。日程調整の結果、ヘルパーさんに帰宅時の身体介護をしてもらった後、リハビリをしてもらえることになり、無事乗り切ることが出来ました。私が帰宅した時、母は程よく体もほぐれて、心地よさそうに眠っていました。
現状ヘルパーさんは平日5日間を3つの事業所にお願いしています。要介護1の頃は週に1日A社のみでスタートしたのですが、介護度が上がるとともにお願いする日数が増え、A社で派遣できるのは人繰りの関係で週3日まで。残りの2日をケアマネさんの所属している事業所B、夜間帯に定期巡回サービスも行っている事業所Cに一日ずつお願いしていました。C社には、夜間帯の臨時利用を念頭に契約したのですが、実際は定期巡回以外の対応は難しいとのことで、夜間帯の臨時利用はケアマネさんのB社の方が融通をきかせてきてくださっていました。ところが、その方が人事異動でエリア外へ行ってしまうことに。そこで、今後のことを考えて、もう1社、夜間帯も対応してもらえる事業所と契約しておきましょうというのが冒頭の提案です。本人の状態を知らずに臨時でお願いするわけにもいかないので、週1回定期的に利用し、いざという時に入ってもらえる体制を作っておくのがよいのではないかというわけです。問題は、その会社が見つかるかどうか。仕事との両立のため、最善策を模索し続けています。