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【開催報告】介護や看護にまつわる質問相次ぐ アンガーマネジメント学ぶproject50sセミナー・午後セッション

講師の田辺有理子さん

アンガーマネジメントの専門家、田辺有理子さん(横浜市立大学医学部看護学科講師)を講師に招いて12月25日に開かれた「project50sセミナー」の開催報告をします。午後セッションは、介護や看護で求められるアンガーマネジメントについて学んでいきました。参加者からは多くの質問が寄せられました。Q&Aコーナーの一部をご紹介します。

身近な課題の質問相次ぐ

田辺さんは、精神看護専門看護師、保健師、精神保健福祉士、公認心理師であるとともに、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会のアンガーマネジメントファシリテーター(R)としても活動しています。

セミナーの午後セッションの第1部では、最初に田辺さんが「介護や看護で求められるアンガーマネジメント」をテーマに基調講演をしました。第2部では、参加者から寄せられた質問に、一つ一つ田辺さんが答えていきました。質問は、申し込み時に入力してもらった「講師への質問」や参加者のみなさんが抱えている「課題」、当日の基調講演を聴いたうえでの「質問」「課題」を、匿名化したうえで、モデレーターが代読しました。

【質問1】
病院に勤務しています。職員同士の愚痴や不満を言ってもいい場所を作って、裏で患者さんへの虐待やハラスメントのない職場にしたいと思います。何か良いアイディアはありますか?

【回答】
田辺有理子さん(以下、田辺さん):吐き出す場を作るということですね。これはいいことだと思います。カンファレンスなどで「今日は吐き出しの時間にしよう」という場の設定をして、「安全な場」で吐き出してもらうことで、ただ愚痴や不満に終わらず建設的にケアを考えることができると思います。

【質問2】
患者さんに対して職員の言葉遣いが悪いことが気になります。職員同士の会話でも、特定のスタッフに強い口調で話すので、本人のイライラをぶつけているように感じることがあります。お互いを理解して自分の思いを伝えられることが上手にできるようになればいいと思いますが、どういうふうに対処していけばいいのでしょうか?

【回答】
田辺さん:ストレスのセルフケアは、アンガーマネジメントの観点からもおすすめです。身近な人が注意しても聞いてもらえない、あるいは立場の弱い人から注意できないというときは、研修などで外部の講師を呼んで、話してもらうのもよいでしょう。もう一つは、コミュニケーションのトレーニングです。相手に対して言いたいことが言えて、相手のことを否定することなく、対話になるというかたちにするためのコミュニケーション術です。練習が必要ですが、練習すれば上達します。気になっている方も含めて練習できる場を作っていくことをおすすめします。

【質問3】
認知症の人は介護者をどのように見ているのでしょうか。母は何でも自分でやりたいと考えていますが、それが介護者の負担になって最終的に私が疲れてしまいます。どのように接すれば良いのでしょうか?

【回答】
田辺さん:どのように見られているのかについては、ちょっと答えるのが難しいです。個別性があるから分からないというのが正直なところです。ただ、どう見られているかを探りすぎなくてもいいと思います。こう見られているだろうと自分を当てはめようとしたり、私はお手伝いさんくらいにしか思われていないのかしらと考えてしまったりすると、これはこれで苦しくなってしまいます。やはり「これ以上は無理です」と自分で最低ラインを決めておいた方がいいと思います。

次回の「project50sセミナー」のお知らせ 2月12日開催

【参加者募集】山田悟医師が講演! 変わる更年期のカラダ アラフィフ&50代だから取り組みたい食生活「ロカボ」

https://nakamaaru.asahi.com/article/14808676

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