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【開催報告】50代の悩み・怒りについて質問続々 アンガーマネジメント学ぶproject50sセミナー・午前セッション

講師の田辺有理子さん

アンガーマネジメントの専門家、田辺有理子さん(横浜市立大学医学部看護学科講師)を講師に招いて12月25日に開かれた「project50sセミナー」の開催報告をします。午前セッションは、職場、家庭、コミュニティといった日常生活のシーンでのアンガーマネジメントについて学んでいきました。参加者からは多くの質問が寄せられました。Q&Aコーナーの一部をご紹介します。

身近な課題の質問相次ぐ

田辺さんは、精神看護専門看護師、保健師、精神保健福祉士、公認心理師であるとともに、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会のアンガーマネジメントファシリテーター(R)です。

セミナーの午前セッションの第1部では、田辺さんが「職場、家庭、コミュニティで求められるアンガーマネジメント」をテーマに基調講演をしました。第2部では、参加者から寄せられた質問に、一つ一つ田辺さんが答えていきました。質問は、申し込み時に入力してもらった「講師への質問」や参加者のみなさんが抱えている「課題」、当日の基調講演を聴いたうえでの「質問」「課題」を、匿名化したうえで、モデレーターが代読しました。

【質問1】
親の介護によるストレスを少なくして毎日を過ごせる方法を教えてください

【回答】
田辺有理子さん(以下、田辺さん):50代という年代は体力の衰えや病気、仕事の役割や家庭での悩みなど、世代の特徴もあれば個別性もあります。今回の講演依頼を受けた後、周りの同年代や少し年配の方々に「50代はどんな感じ?」と聞いてみました。急に家族の介護問題が出てきていて、大変で疲弊しているという人がいました。60代になって振り返ると、50代は余裕がなかったと言う人もいました。仕事中にケアマネさんから電話かかってきて、ちょっと職場を抜けて電話をするみたいな感じです。また両親のダブル介護をしている人もいました。長く介護をしている人が、上手に時間をつくって海外旅行に行ったと聞き、ちょっとびっくりしました。

介護が始まったときはすごく大変だと思います。そのようなときに息抜きできる方法、ストレスへのセルフケアを幅広く持っておくことが大事です。ストレスケアという意味で、年に1回、海外旅行に行くのを楽しみにして日々大変なことも何とかやっているという人が、コロナ禍で突然それができなくなったとしたらどうでしょう。もし海外旅行が唯一の楽しみだったとしたら、ストレスの対処法がなくなってしまいます。だから、一つだけではなく、複数持っておくことが大事です。旅行もあるけど、近所で外食をするとか、半日でできること、小一時間でできること、といった感じで準備をしておくことも必要でしょう。野外でやることもあれば、家の中でできることもあるでしょう。人と話すのもいいし、ひとりでできることもいい。ストレスケアは、その両方をもっていたほうがいいです。あとは介護のストレスという点では、誰かに頼れる状況をつくっておくことも必要です。

【質問2】
夫への怒りを介護中の母にぶつけてしまい自己嫌悪です 気持ちの切り替え方を教えてください

【回答】
田辺さん:身近な人には強く怒りが湧きやすいです。特にパートナーはすごく近い存在なので。怒りは、高い方から低い方へ、強い方から弱い方へ流れていきます。私がイライラしているのは目の前のお母さんではない、夫への怒りなんだと分かることも、対処への一歩です。思考を整理することができると、一歩引いて見えてくると思います。

自分のなかにたまったストレスを、ガス抜きしましょう。たぶん、家族関係でも、介護でも、負担がかかってきているのだと思いますが、自分自身のメンタルヘルスを保つためには、いかにガス抜きをするかがポイントです。自分で自分をケアするという意識をもちましょう。

過去の家族内や介護の怒りを引きずってしまう方もいるでしょう。過去にこだわらない人や未来だけを見ていますという人もいます。一方で過去のことを消し去ることができない人もいると思います。

私はもう何年も前のことで今でも忘れられない嫌な出来事があって、周りの人に「いつまでも気にしてもしょうがない」「もう許してあげればいいじゃない」と言われても許せずに苦しかった経験があります。過去の怒りを解決できなくても、気持ちを切り替えること、その怒りから意識を逸らして過ごす時間を少しずつ長くするようにしてみましょう。怒りで頭がいっぱいになったら目の前のことに集中する、「切り替えよう」と自分に言い聞かせるというだけです。少し気持ちが楽になるのではないでしょうか。

次回の「project50sセミナー」のお知らせ 2月12日開催

【参加者募集】山田悟医師が講演! 変わる更年期のカラダ アラフィフ&50代だから取り組みたい食生活「ロカボ」

https://nakamaaru.asahi.com/article/14808676

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