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アンガーマネジメントから始まるケア

介護者はいかに自分を保っていけばいいのか――アンガーマネジメントを一緒に学びませんか

介護サービスの需要が高まり、介護業界にも別な業種から転職する人が増えてきています。介護する側に、介護に関する知識や技術のほかに、アンガーマネジメントという視点が注目されています。12月25日午後に開かれる「project50sセミナー」で講師の田辺有理子さん(横浜市立大学医学部看護学科講師)と一緒に学んでみませんか。

よく聞かれる認知症の家族の介護が上手くいかないとき

介護や看護では、虐待や不適切なケアという問題があります。報道されるような事件にならなくても、通報されるようなケースがあります。いつか自分も一線を超えてしまうんじゃないか、手をあげてしまうんじゃないかというような気持ちになるとき、在宅で介護されているご家族も、もう嫌だと思うようなときがあるかもしれません。そういうときに、どうやって自分自身を保ったらいいのか、難しいと感じている人もいるのではないでしょうか。

介護職員に向けたアンガーマネジメントの研修は、今、注目されています。しかし、ご家庭で介護されている方は、そういった介護の人の感情をマネジメントするための研修の機会がほとんどないという課題を感じています。

介護のアンガーマネジメント研修でよく聞かれるのが、認知症の介護が上手くいかないとき、家族の間で感情が表に出てしまうときの対処法です。介助する側の怒りもありますし、介助される側の怒りもあります。ただ、すべてを受け止めていると、どこかで自分がつぶれてしまうかもしれないと思うときもあるでしょう。

相手の状況を変えることができないうえ、今後は認知症の人も増えていくでしょうし、要介護度が高い人も在宅で過ごす時代になってくるでしょう。

介護する際、いかに自分を保っていくのか、すべてを抱え込まずに周囲の協力を得られるかといったことが重要になってきます。

少し自分に余裕がなくなってきたとき、怒りとはどういうものなのか、仕組みを知っておくといいと思います。すごく怒りっぽい高齢者もいて、怒りをぶつけられてしまう介護者も多いと思います。そんなとき、相手をどう理解すればいいのか。

キーワードの一つは「抱え込まない」

怒っている人は、その背景に不安を抱えていることがあります。高齢者の場合、心身の不調を抱えていることや、思うように言葉が出てこない、これまでできたことができなくなるなど、不安を怒りとして表出していることもあります。怒りの背後にどういう感情があるのかを少しでも理解することが大切です。想像力を働かせてみる方法を知っておくと、対応するご家族も少し楽になると思います。

キーワードの一つは、「抱え込まない」ということだと思います。在宅での介護になると、例えば、他の家族に期待しすぎてしまうこともありますよね。期待しないことがいいことではありませんが、なかなか自分の思い通りにはいかないものです。そういうとき、自分で自分をケアしていやせるとか、抱え込みすぎないで人を頼れるとかということが大事です。

アンガーマネジメントは自分で感情をおさめて、すべてに対応しなければいけないというわけではありません。自分自身に目を向けて、自分のストレス状態を自覚することがポイントだと思います。相談をできる人、気持ちを吐露できる人を持つこと、また少しその場を離れて、レスパイトすることも大切です。自分がリフレッシュできる方法を知っておくことも必要です。こうして、自分自身の中でバランスが取れるようになるといいと思います。

介護職員が自分のストレスをマネジメントできるように

高齢者虐待防止法ができ、虐待の統計がでていますが、虐待の発生要因として、教育・知識・介護技術等に関する問題のほか、職場風土や職員間の人間関係、職員のストレスや感情のコントロールの問題などが挙げられています。だから、介護の世界で、アンガーマネジメントが推奨されるようになってきました。介護職員が自分のストレスともうまく付き合えるようになることです。

介護の現場で働く人の、キャリアが多様化してきています。介護職員の離職理由で多いのは、職場の人間関係が苦しくて辞めていくという人たちです。チームの中に考え方の違いがあっても、自分がその中でうまくやっていける処世術があればいいと思います。そのとき、自分自身の物事の考え方、自分の働き方、自分の行動の取り方を改善することで、職場環境が良くなることがあります。

介護サービスを利用する家族の方なら、ケアマネジャーさんや介護職員の方たちと良好な関係を築けるように自分の行動を少し変えていくことで相手の反応が変わってくることがあります。それによって、結局は自分が楽になるのですよね。そういうことについて、セミナーで共有できたらいいと思います。

【終了しました】

◆講演に関する詳しい内容は下記(https://project50s2seminar.peatix.com)のバナーをクリックしてください。

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