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コマタエの 仕事も介護もなんとかならないかな?

「心配」と「楽しい!」を行ったり来たり 介護に生かせた趣味の時間

駒村多恵さん

タレント、アナウンサーとして活躍する“コマタエ”こと駒村多恵さんが、要介護5の実母との2人暮らしをつづります。ポジティブで明るいその考え方が、本人は無意識であるところに暮らしのヒントがあるようです。今回は、車椅子移動のハプニングにまつわるお話。人の心について考えさせられます。

タップダンス

「コマちゃん、大丈夫!? 顔が白いよ!」
本番前、私はかつてない程の緊張に襲われていました。趣味で習っているタップダンスを、NHK「あさイチ」のエンタコーナーで披露することになったのです。
「スタジオにタップダンサーが来ています!」という振りコメントで足元のアップに切り替わり、カメラが引いて全身が映ると、アカペラでタップを踏んでいる人物……実は私でした!という演出。焦らした上で正体が明かされるため、それなりに踏まないと成立しません。
緊張に打ち震えながらひっそりスタンバイしていたところ、そんな私を見かねて、メイク、スタイリスト、ディレクター、音声……馴染みのスタッフさんたちが次々と励ましてくれました。

華々しく(?)タップ! タップダンサー安達雄基先生はこのあと登場します(画像提供:NHK)
華々しく(?)タップタップダンサーとして登場!(画像提供:NHK)

こんなこともあるんだなぁ。
幼い頃、タップの映像を父とよく見ていた影響で、高校の頃に少しだけ習ったことがありました。またいつか習いたいと思っていたものの、私の予定に合うクラスがなかなか見つからず、特に介護が始まってからは夕方の母の送迎時間までに帰宅せねばならず、通える時間帯と場所は限定されました。

探すこと25年。ようやく見つけたそのクラスも、担当することになったラジオ番組の時間と重なってまた中断。悲しんでいたらタップの先生が、私が「あさイチ」でご一緒している華丸さんの舞台の振り付けと出演をすることになって、「あさイチ」への出演も決定。その流れから、同じ先生に師事しているよしみで、私も「あさイチ」でタップを踏むことになったのです。この展開、誰が想像できたでしょう!

安達さんは個人的に習っているタップの先生。華丸さんが出演する舞台の振り付けも担当することになり、そのご縁でスタジオ共演!
安達さんは個人的に習っているタップの先生。華丸さんが出演する舞台の振り付けも担当することになり、そのご縁でスタジオ共演!

時には気力も体力もなくなる日がありますが、楽しいと思うことがあるといつの間にか回復しているもので、私にとってタップはその楽しい要素の1つ。

ただ、学び直しは残酷で、ジャンプした時の滞空時間の短さに落ち込み、振り付けを覚えるのも大苦戦。高校時代のようにはいかないけれど、僅かながらも進歩を実感すると嬉しく、加えて基礎体力もついて、以前より母の移乗(*)が楽にできるようになった気がします。そんなわけで、自分の時間はゆるく捻出しています。
(*)車椅子からベッドやトイレなど、体を移す介護

実は、放送があった日は疲れがピークでした。
金曜日の放送だったのですが、その週の月曜日の夜に母が突然体調を崩し、火曜日はデイサービスから一日中様子がおかしいと連絡を受け、急遽色々な予定を取りやめ、訪問診療に来てもらい、初めて吸引もしてもらいましたが、食べ物が詰まっているわけでも痰が多いわけでもなく、にもかかわらずゼーゼー呼吸は荒く、漢方薬を調整し、肺に何かあるのかと、土砂降りのなか循環器内科にも行ってみましたが、やはりおかしな様子はないとのこと。

それなのに、深夜1〜3時くらいの間は20分おきに咳こんだり呼吸が乱れて苦しそうだったりと原因不明の症状が続き、私も連日寝不足に。タップ踏めるかな?と一抹の不安もよぎりました。しかし、本番では、かすれて鳴っていない音があったものの(これは実力の問題!)楽しく踏むことができ、思い出に残る放送に。いつもゴハン、グリーンコーナーを担当しているスタッフさんからは「どのコーナーよりイキイキしてましたね」と言われました……。

たくさん練習しました!
できなかったステップが踏めるようになると嬉しい! 先生から「少女のように喜ぶ」と言われます

だいたいそうなんです。私が忙しいときに限って母の体調は崩れがち。介護生活は必ずしも自分の都合よくは進みません。
以前、母の体調に少し異変があった時、「雨も降ってるし、明日予約してるから」と病院に行くのを1日延ばしたところ、その夜に悪化して入院したことがありました。あの時、まだ大丈夫だろうと考えたことで、取り返しのつかない事態になっていたらと思うとゾッとします。以来、少しでもおかしいと思ったらすぐ病院。空振りでも後悔しない行動を心がけています。

おかげさまで、今、母の体調は安定しています。
そうやって、「心配」と「楽しい」を行ったり来たりの毎日です。

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