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タカオ★FANTASISTA

ただの月の石?年とりゃみーんな、ただの石 お安くしときまっせ

アルツハイマー型認知症のタカオさん。スケッチされたその不思議な世界観を、間学(あいだ・がく)さんがコレクションしています。 日本のみならず、海外の人の注目も集めている作品の数々。タカオさんのガイドつきで紹介します。ようこそ、「タカオ美術館」へ。

月の石を売っとるんじゃよ・・・お安くしとくよ・・・
作品名:月の石
大阪万博で初めて月の石を見たんじゃ。アポロ11号が月面の「静かの海」ってところから持ち帰った“正真正銘の月の石だ”ってやつが、厳重な筒状の透明なケースの中で居心地悪そうにしていたよ。何しろ自分のことをよく知らない地球の人間たちが、列をなして物珍しそうにジロジロ見ているんだからね。やつはきっとこう思ってたに違いないんだ。「オレはあんたらと大して変わりはないんだよ。ただの石だからね」。ただの人間と同じだってことだよ。月で生まれたから地球の記憶はないけれど、地球の石だって年とりゃ忘れちゃったりするんじゃないの? 自分が地球で生まれたことをさ。そう言えば、あの時の月の石は何だか化石化した宇宙人の脳ミソみたいだったな。

次回:トイレに行けないほど長丁場 交響曲だって今やターンテーブルで

前回:女房に振られてクルーはウサギ 月へ行くのはお金贈りのあの方と同じ船?

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