介護施設で、あるある探検隊♪

高級ショートステイでまさかの「シーン…」 あるある探検隊の活動報告33

「あるある探検隊」のリズムネタで一世風靡したお笑いコンビ・レギュラーの松本くんと西川くんは、いま介護施設をまわっています。テレビや劇場の一般客相手と違って、施設の利用者さんたちを笑顔にするのは、やっぱり難しい! そんな2人が見つけた、今日の介護現場の“あるある”は――。

レギュラーと介護施設のみなさん
写真は毎回、レギュラー公式マネジャーがスマホで撮影した「渾身」の1枚です!

今回は、まったく盛り上がらなかったときのお話。
この日、レギュラーの2人が介護レクリエーションをやるために訪れたのは、都内の高級住宅地にあるショートステイ専門の施設。実は、こういう施設ではたいてい、場を盛り上げるのに苦労する。というのも、利用者が短期間で入れ替わるため、お互いの“関係性”が希薄になりがちだからだ。

こんなときこそ、基本から忠実に。まずは会場の雰囲気を温めるためのアイスブレイクで、積極的に参加してくれる“ムードメーカー”を見つけて盛り上げていくのが、いつもの手順だ。そこで、ムードメーカー探しから始めた2人だったが……。

「これまで行った旅行先を教えてください。はい、そこの男性の方!」
「うーん、わかりません」
「ではお隣の女性はどうでしょう?」
「覚えてません」
「あれれ。じゃあ、その後ろの方は?」
「……わかりません」

ムードメーカーどころか、どこまでいっても答えてくれる人が出てこない。ある程度の覚悟はしていたが、ここまでとは……。

こうなったら、“最終兵器”のアレを出すしかない! スタッフたちに参加してもらって盛り上げる「施設あるある」である。この日は、スタッフのなかでも超VIP、なんと、施設長さんがやってくれることになっている。ダンディで物静かな雰囲気の施設長さんに頼んで、事前に考えてきてもらったネタは果たして——。

♪あるある探検隊! あるある探検隊! お・しゃ・れ・な人が多すぎる! ハイハイ、ハイハイハイ!

シーン……。
ネタが無難すぎるのはさておき、問題はそこではない。身近な人が身近なネタで笑いを生む“鉄板”が通用しないということは、つまり、まだ利用者たちとスタッフたちの「共通言語」ができていないということ。空回りしながらも、せめてこれが何かのきっかけになればいいな、と心から願う2人であった。

松本くん いやー、あのときはやることなすこと裏目に出たなあ。とにかく2人でゲラゲラといつもより大げさに笑って楽しい雰囲気にしようとしたけど、ちょっとわざとらしい感じになってしまった。

西川くん みんな顔が笑ってないことはないんやで。にこやかな人はけっこういた。ただ、火が付かない。めちゃくちゃスベってるというより、とにかく導火線に火が付かない。

松本くん いつもの調子で「どうもー」と舞台に出て行ったときから、ぜんぜん反応が悪かったからな。みんな知り合い同士じゃないから、バラバラなんよね。

西川くん たとえば、デイサービスでも何度も通っていれば知り合いができるもんやけど、ここはショートステイ専門のホテルみたいな施設やからね。やっとおしゃべりできる相手ができたと思ったら、もう帰宅、みたいなことも多い。

松本くん ほんま、打てど響かずってあのことやね。手を変え、品を変え、いろいろとやって、いよいよもうダメだとなったときに、保険でとっておいた「施設長のあるあるネタ」という最終兵器を繰り出したのにな。

西川くん ここや!と思って投入したけど、これがぜんぜん盛り上がらない。そもそも施設長さんと利用者さんもあまり関係ができてなかったんやな。だから、傷口が広がらないうちに早めに下がってもらったわ(笑)。

松本くん しかし、施設長さんはいい人やったね。スーツ着て、ヒゲ生やして、ちょっとダンディな雰囲気なんだけど、ひとつもイヤな顔せずにやってくれはった。

西川くん 考えてみれば、施設長さんも利用者さんとあまり関係を築けていないから、試行錯誤のなかでこういうイベントを企画したんやろうな。僕らも「あるある探検隊! あるある探検隊!」って、がんばって盛り上げたけど、その声も震えていたと思うわ。

松本くん その代わり、スタッフさんたちは、めっちゃ笑いをこらえていたな。偉い人が出てきて、もろスベりだからな。こっちからお願いしておいて、申し訳ないけど(笑)。

西川くん でも、突破口になりそうな瞬間はあったよね。気まずい雰囲気で介護レクが進んで行くなかで、1人の女神がいたやん。

松本くん アイスブレイクで、僕らの「出身地」当てクイズをやったときやね。最初に聞いたご婦人が「京都」と、まさかの正解! たまたま京都出身で、「僕らもそうなんです」と言った途端、めちゃ打ち解けてくれて。そこからは、もうなにを言ってもドカンドカンとその人だけは笑ってくれる。スゴいな、同郷というだけで一瞬でアイスがブレイクしたもんな。

西川くん いや、うれしかったな。持つべきものは同郷やで。ここから一気に笑いが広がっていく……はずやったんやけど。

松本くん まったく広がらなかったな(笑)。初っ端の「旅行話」から反応が悪かったから、僕らの定番ネタの「トントンサスサス」(童謡のリズムに合わせて片方の手をグーにして太ももの上でトントン。もう片方の手は、パーにして太ももをサスサスとさするゲーム)も、「満腹アヒルの大冒険」(唇を指でアヒルのように引っ張りながら食べ物の名前を言ってもらい、それを当てるゲーム)もやらなかったし。その代わり、2人のトークの時間を増やしてなんとか凌いだ。

西川くん いやー、もう途中の記憶がないくらいや。帰り際、施設長さんが「やっぱり、レギュラーさんが有名すぎて、みんなびっくりしたんでしょうね」ってフォローを入れてくれたけど、んなワケないやん(笑)。

松本くん 助けられたのはやっぱり、いちばん最後にやったギャグ体操(思い出の有名ギャグのジェスチャーを、あるある探検隊のリズムに合わせてやる、レギュラーのオリジナル体操)だったな。これが、うまくいった。

西川くん 驚いたね。あれだけ頑なに、なにを聞いても「わからへん」って言っていた利用者さんたちが、体操が始まると、みんなリズムに乗って一緒に体を動かしてくれたもんな。

松本くん ここで学んだ教訓はふたつ。(1)ムードメーカーが見つかっても、会場にその人を知っている人がいなければ、盛り上がらない (2)やはりリズム系は最強、ってことやな。僕らも、どんな状況にも対応できるように、どんどんブラッシュアップしていかないとやね。

西川くん 松本くん、それはたしかにアルな!

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