介護施設で、あるある探検隊♪

しゃべってもしゃべりすぎたらあかん!あるある探検隊の活動報告24

「あるある探検隊」のリズムネタで一世風靡したお笑いコンビ・レギュラーの松本くんと西川くんは、いま介護施設をまわっています。テレビや劇場の一般客相手と違って、施設の利用者さんたちを笑顔にするのは、やっぱり難しい! そんな2人が見つけた、今日の介護現場の“あるある”は――。

レギュラーと介護施設のみなさん
写真は毎回、レギュラー公式マネジャーがスマホで撮影した「渾身」の1枚です!

「アニキ! 僕も今度、一緒に連れていってくださいよー!」

とある介護施設の会場に、そんな西川くんの“お願い”の声が響いた。介護レクリエーションの冒頭で、場の空気をあたためる「アイスブレイク」のトークでのこと。お願いの相手は、デイケアで訪れている80代の男性だ。海外旅行が趣味で、つい最近まで数え切れないほど世界の国々を旅して歩いたという。

「そんなことがあったんですかー」
「ほー。で、どうなりはりました?」
「そういうとき、アニキはどうします?」

客席までマイクを持って降りていき、男性の旅の思い出話を引き出しながら、どんどん盛り上げていく西川くん。ところがそのころ、会場の別の場所では不穏な空気が……。ステージ上の松本くんに聞こえてきたのは、女性利用者たちのこんなささやき声だった。

「もうその話は聞いたわ」
「はやく次やりーな」

最後にはとうとう業を煮やし、女性利用者のひとりが声を上げた。 「あの人(旅行好きの男性利用者)の話はいつでも聞けるから、そろそろ別の話してーや!」

あれれ⁉ 場が盛り上がってきたと思いきや、思わぬところからの思わぬ反応に、またしてもカチンコチンにフリーズする西川くんなのだった。

西川くん いやー、あのときは失敗やったな。男性利用者さんはどんどんしゃべってくれるし、それもいちいちおもしろいから、夢中になって聞いてしもうた。でもほかの利用者さんたちは、もう何度も聞いた話やったっていうことやね。

松本くん 加減が難しいなあ。しゃべってくれる人に付きっきりやと、ほかの人からヤキモチも出てくるし、だからといってそういう人にしゃべってもらわんことには、盛り上がらないし。

西川くん でも介護レクリエーションが盛り上がるためには、こうしたペースメーカーとして活躍してくれる人は絶対必要やね。クイズをするときなんかでも、「ほかにないですか?」と聞いてみて、誰も声を上げなければペースメーカーの人に戻る、みたいな。

松本くん 僕たちも、打ち合わせたわけじゃないのに、結局、ペースメーカー役の人を2人で共有していることが多いね。よくしゃべってくれるので、僕も困ったらその人に戻る。西川くんも困ったらその人に戻る、という。

西川くん 逆に、ペースメーカーだと思ってどんどん話を振っていたら、いきすぎちゃう人もいるしな。ふだんの舞台でも、しゃべりすぎてマイクを話さない一般のお客さんているやんか。

松本くん 僕らが肝に銘じているのは、そういう人とも普通にしゃべって、普通にツッコむようにすることやん。相手に恥かかせないようにするためには、とにかくどんな人でも無視しないことが大切や。

西川くん 介護レクリエーションでも、認知症の度合いなのか、思わぬ展開になるときがあるもんな。「今日、美容室行ってきた人いますか?」と聞いたら、ある女性利用者さんが手を挙げて……。

松本くん 「おー、いはったんや!」と驚いて、「何時ごろ行ったんですか?」と聞いたら、実は今日じゃなくて3カ月前に行ったのだと(笑)。話が違うやん!っていう。

西川くん 別のときには、自分の顔をいじるゲームのあと、ずっと鼻をつまんだりして、僕に向かって“ヘン顔”を見せていた利用者さんがいたやんか。介護レクリエーションが終わるまで、ずっとやってた(笑)。

松本くん あの入居者さんは、ニコニコしながら楽しそうやった。本人の意図はわからんけど、そういうときは、その人が“ボケでわざとやっている”という方向でツッコミを入れるようにしているな。途中で軽く「それちゃう!」とかツッコミを入れながら話を進めていく感じやね。「西川くん、ヘン顔で負けてるで」とか言って。

西川くん そうそう、まずダメなのは突き放すことやね。せっかく僕たちに話かけてくれてるんだから、触らないわけにはいかないし。だからといって、普段のステージみたいに「なにやってんねん!」とキツくツッコむのは、もちろんNG。とにかく相手をイヤな気持ちにさせないのが鉄則と思う。
大前提として、ちゃんとアイスブレイクができていれば、場に一体感が生まれて、利用者さんに多少のツッコミ入れても笑ってくれはることが多くなるしな。

松本くん この間も、僕らのオリジナルゲーム「満腹アヒルの大冒険」(唇を指でアヒルのように引っ張りながら、食べ物の名前を言ってもらい、それを当てるゲーム)で、すでに前の人が答えたのに、「カレーライス!」って自信満々に答えた利用者さんがいたやんか。あのときもアイスブレイクができていたから、「それ、もう前に出てますやん!」と僕が突っ込むだけで、本人は大笑いしていたもんな。

西川くん でも、これがそこまで打ち解けてない状態だったら、どうや。「それ、もう前に出てますやん!」と同じ言葉を言っても、本人の自尊心を傷つけてしまったりする。

松本くん これは永遠の課題だけど、“いじられて”いるのか、“いじめられて”いるのかは、本人の受け取り方で変わるところがあるからな。「間違えたことを揚げ足とるな!」みたいになったら大変。そうならないためにも、アイスブレイクはほんとに大事やね。

西川くん 松本くん、それはたしかにアルな!

(編集協力/ Power News 編集部)

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