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認知症の母が喜ぶ毎日ごはん

墓参り後に家族で外食 選択式のハンバーグ 認知症の母が喜ぶ毎日ごはん

ハンバーグ

フードライター大久保朱夏さんが、認知症のお母さんとの生活のなかで見いだしたレシピを紹介します。父の墓参後、家族揃っての外食は賑やか。お父さん、みんな元気にやっています。

※料理は普通食です。かむ力やのみ込みに配慮した介護食ではありません

1月11日は父の命日。正月に集まった家族が、父の命日の前後の日曜にもう一度顔を合わせて墓参りに行く。私は実家から母を連れてタクシーで墓地へ向かい、そこで夫や妹たちと合流する。墓地といってもドリームランドという遊園地があった高台にある、公園タイプのユニークな墓園で、父はシンボルツリーといわれる樹の下にいる。
この時季の横浜は晴天続きで、墓参りだけで帰るのはもったいない。家族そろって外食できる貴重な機会でもあった。
みなとみらいのホテルまで足をのばして、バイキング形式のレストランに行った年もあったが、母は料理の前でどうしたらよいか混乱してしまったようで、立ちすくんでいた。
母も小さな子どもたちも一緒に楽しめるのは、おすし屋さんか洋食屋さんだった。ホテルのバイキングと同様に、豊富なメニューから好きなものを選ぶのは、情報量が多すぎて母にとってはむずかしい。いつものように、私が「ハンバーグかエビフライならどっちがいい?」などと、なじみのある料理にしぼって好きな方を選んでもらった。母はたいてい「ハンバーグが食べたいわ」と言った。

ハンバーグ

私が子どもの頃、母はよくハンバーグを作ってくれました。肉汁にケチャップを混ぜたほのかな酸味のあるソースが好きでした。洋食屋さんの立派なデミグラスハンバーグとはおもむきが違いますが、手軽に家庭で作れるレシピを紹介します。冷凍のハンバーグを温めて、付け合わせでレストラン風に盛りつけてみるのも楽しいと思います。

材料 作りやすい分量(4個分)

合いびき肉 200g
玉ねぎ(みじん切り) 1/2個
卵 1個
牛乳 大さじ2
パン粉 20g
ナツメグ 少量
塩・こしょう 各少々
サラダ油 大さじ1〜2
ケチャップ・ウスターソース 各適量
付け合わせ にんじんのグラッセ、ブロッコリー、マッシュポテトなど

作り方

  1. 玉ねぎはサラダ油大さじ1でしんなりするまで炒めて冷ます
  2. ボウルに合いひき肉を入れ、白っぽくなるまでよく練る。1、パン粉、卵、塩、こしょう、ナツメグを加えて混ぜる
  3. 手で小判形にととのえる(1個約80g)
  4. フライパンを熱し、サラダ油を入れ、中央をくぼませて強めの中火で焼く。焼き色がついたら返し、ふたをして6〜8分焼き、中まで火を通し、器に盛る
  5. フライパンに残った肉汁にケチャップとウスターソースを加えて混ぜ、軽く温めてハンバーグにかける。好みの付け合わせを添える

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